介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

身体拘束とは

      2015/11/07


介護施設や病院で働いていると身体拘束について目にする事があると思います。
身体拘束というのは、その名の通り、体を何かしらの手段で拘束する事が見て取れます。

 
身体拘束は世間的にも悪として扱われている事もあり、見る人にも拘束される本人にもショッキングな出来事です。

 
では身体拘束とはそもそもなんなのでしょうか?
また、身体拘束として捉えられるような基準や、逆に身体拘束が認められるケースはどんな場合なのでしょうか?

 
身体拘束はそもそも何で悪い事なのでしょうか?

 
身体拘束についてまとめましたのでチェックしていってください。

 

 
身体拘束とは
 

 

身体拘束とは

身体拘束とは (3)
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

 
また、部屋に閉じ込めて出られないようにする、あるいは、向精神薬を飲ませて身体機能を妨げて動けなくすることも身体拘束と扱われます。

 
身体拘束をされると利用者が非常に惨めな、人間としての誇り・尊厳を奪われた状態になるという理由で現代の介護では身体拘束をする事は特別な理由がない限り行ってはならない事とされています。

 
身体拘束を行ってはいけないとの決まりは厚生労働省の管理のもと、介護保険の適用を受ける施設では必要やむを得ない場合で無い限り身体拘束をする事が禁止されているのです。

 
しかし、現実的に施設によっては、まだその規定に従わず、慣習的に身体拘束を行っているところもあります。

 

 

 

 

どんなことが身体拘束にあたる?

どんなことが身体拘束にあたる?
身体拘束とひとことでいっても、ひもで動きを抑制したり、抑制帯で動きを抑制する等、身体拘束の種類もさまざまです。
では、具体的に身体拘束はどんな事が該当するのでしょうか?

 
身体拘束として扱われる行為について厚生労働省は次の通りまとめています。

  • 歩き回らないようにベットや車椅子に胴や手足をひもなどで縛り、歩けなくする。
  • ベットなどから転落しないようにベットに胴や手足をひもなどで縛り、動けなくする
  • ベットの周囲を柵などで完全に囲んだり、高い柵を使用するなどして自分では降りられないようにする。
  • 点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、手足を縛ってしまう。
  • 点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、あるいは皮膚をかきむしらないように、指を思うように動かせなくするミトン型の手袋などを使う。
  • 車椅子やいすなどからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型の専用ベルト、腰ベルト(紐)などで車椅子・椅子に縛りつけたり、胴にぴったりと密着するテーブルをつけて立ち上がれないようにしてしまう。
  • 立ち上がる能力のある人を、座面を大きく傾かせたりする椅子に座らせるなどして立ち上れないようにする。
  • 服を自分で脱いでしまったり、おむつをはずしたりしてしまう人に、介護衣(つなぎ)とよばれるような、自分では脱ぎ着ができない特殊な服を着させる。
  • 他の人に迷惑をかけないように、ベットなどに胴や手足をひもなどで縛る。
  • 興奮したり、穏やかでなくなったりした人を落ち着かせるために、鎮静させる効果がある精神に作用する薬(向精神薬)を過剰に使って動けないようにしてしまう。
  • 鍵をかけるなどして自分では空けられないような部屋に閉じこめる。

 
ひもで縛るなどの利用者や患者を直接的に身体拘束する事の他、向精神薬などの薬物を使った身体拘束や、部屋から出れないようにするなどの空間的な身体拘束などが主に身体拘束に当たります。

 
身体拘束は絶対にダメというわけではなく、必要だと認められる場合、さまざまな決まりごとの元、利用者や患者の安全性を考慮したうえで行われる必要があるという事を介護職は抑えておくべきでしょう。

 

 

 

 

身体拘束が認可される基準

身体拘束が認可される基準
身体拘束は行われてはいけないものとして扱われている事は既にご存知のことだとは思いますが、本当にやむおえない場合については身体拘束が行われる事が認可されます。

 
厚生労働省は身体拘束の緊急、やむおえない場合の定義として次のような規定を設けています。

  • 「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を満たす事
  • 上記の3つの要件を慎重に確認・実施されている場合に限る

 
切迫性というのは簡単に言うと命の危険が迫っている場合という事です。
命の危険が迫る緊急事態かどうかが身体拘束を行う上での一つの基準となります。

 
また、非代替性というのは身体拘束を行う以外にその状況を切り抜ける手段がない事を言います。
例えば、受けなければ命の危険が迫るような点滴を抜いてしまうような患者だった場合、身体拘束以外に取るべき手段がない場合などが該当するでしょう。

 
一時性というのは、身体拘束が長期的に行われる物ではなく、一時的な対処であるという事を表しています。
これは身体拘束を長期的に行わないよう、考慮された規定です。

 
これら3つの「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を慎重に確認・実施されている場合に身体拘束は認可されます。
身体拘束は、身体拘束そのものに利用者・患者の身体的・精神的な負担となるほか、命の危険を持った行為でもあります。

 
身体拘束を行う上では切迫性・非代替性・一時性を適正に判断し、管理されていないと行う事が出来ません。
つまり、現場の思いつきで行われる身体拘束は厚生労働省が言うところの身体拘束の認可の基準を満たさないという事です。

 
身体拘束を行われる事が認められる基準は、命の危険が迫る緊急事態であり、身体拘束以外に取るべき手段がなく、拘束を行う期間も一時的なものである必要性があります。
また、それらの要件を適正に判断、管理されているという事が認可の基準という事になります。

 

 

 

 

身体拘束が悪として扱われる理由

身体拘束が悪として扱われる理由
身体拘束は倫理的な考えから、悪いものとして扱われます。

 
しかし、現実的に認知症が進行した高齢者の家族から「親が怪我するのは見ていられない」「何かしらの事故で命を落としかねない」との理由で家族から身体拘束の希望が上がる事さえあります。

 
介護職として、なぜ身体拘束をしてはいけないのか?という理由について押さえておくことは、自分自身の行動や、家族への説明の際に重要です。
身体拘束をしてはいけないという理由については次のような物があげられます。

  • 身体拘束が原因で命を落とす事がある
  • 拘束が拘束を呼ぶ悪循環となりやすい
  • 身体拘束をしないから事故が増えるわけではない
  • 身体拘束は拘束される本人の精神的な負担が大きい

 
身体拘束は利用者・患者本人の身体的・精神的な負担になるのみならず、長時間同じ姿勢をとり続ける事の健康リスクもあります。
また、一度身体拘束に施設が踏み切ってしまうと、次も身体拘束に頼る介護になってしまい、身体拘束が日常化した介護が続く危険性もあります。

 
身体拘束をしなくても介護職員や施設全体の方針が整備されれば、見守りの工夫によって事故を未然に防ぐ事が出来るでしょう。

 
特に家族が身体拘束を希望してきたとき、介護職員として説明する際は身体拘束そのものに命の危険が迫る健康リスクが伴う可能性がある事を説明する必要があるでしょう。

 
利用者・患者の命を守ろうとした身体拘束が、逆に命の危険があるという事を理解してもらえれば、家族も納得の元、明るい介護や看護をする事が出来るでしょう。

 

 

 

 

身体拘束の事例

身体拘束
身体拘束の具体的な事例について紹介していきます。
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

身体拘束の具体的な事例としては次のような事例があります。

  • ベッドに手を縛る拘束
  • 手指を自由に使えない拘束
  • ベッドに腹部を固定する拘束
  • ベッドから下りられないようにする拘束
  • 車椅子から立てないようにする拘束
  • 部屋から出られないようにする拘束

ベッドに手を縛る拘束は主に病院や療養型の介護施設でベッドに手を縛る身体拘束が行われる場合があります。
また、身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者など自分が治療を受けている事が認識できない人や治療中の器具を抜いてしまうような人が多いです。

 
ベッドに拘束具で身体を固定しないと、体のチューブを抜いて健康リスク、命の危険があると判断される場合に身体拘束が行われるケースが多いでしょう。

手指を自由に使えない拘束は病院や療養型の介護施設以外でも、在宅・特別養護老人ホームなどでも行われる可能性のある身体拘束です。
身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者や精神的な病気を持っていて体をかきむしってしまったり、オムツを外してしまうような人が多いです。

 
主に身体拘束にはミトンと呼ばれる拘束具を用いられます。

 
ミトンは手や腕は自由に動かす事が出来ますが、手指を自由に使えないとなると物を十分につかむことが出来ないなど、生活上の不便さを伴う拘束となります。

 
ベッドに腹部を固定する拘束は主に病院や療養型の介護施設で行われる場合があります。
身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者で徘徊をしてしまう人や、足の治療を受けている人、ピック病などが原因で他の人の命の危険などが迫ってしまう場合など歩けない身体状態だけれども歩いてしまったり、社会的な規範を認識する能力がいちじるしく低下した人が多いです。

 
ベッドに腹部を固定する拘束は胴抑制と呼ばれ、胴抑制帯と呼ばれる拘束具を用いて身体拘束が行われます。

 
ベッドから下りられないようにする身体拘束は主に病院や療養型の介護施設の他、在宅の介護や施設型介護でも行われる場合があります。

 
身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者で徘徊をしてしまう人が多く、とりわけ身体機能が低下している人が多いです。
ベッドから降りられないようにする拘束は、ベッドに4点柵と呼ばれる柵を用いて行われます。

 
4点柵は健康な体を持つ人であれば容易に乗り越える事が出来ますが、高齢者等、老化の影響で身体機能が低下している人には乗り越える事は困難であり、ベッドに拘束された状態と同じです。

 
車椅子から立てないようにする身体拘束は主に病院や施設介護など幅広く用いられる場合があります。

身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者で足(下肢)の筋力が低下していたり、骨折などの何かしら歩行移動にリスクを抱える人が多いです。
車椅子から立てないようにする拘束は、車椅子にY字抑制帯と呼ばれる車椅子と体を固定する為の帯が使用されます。

 
認知症の人は自分の身体状況を正常に判断する事が出来ず「歩ける」と思ってしまい、立ち上がって歩こうとするのです。
主に車椅子から立てないようにする拘束には「転倒予防」を望んで行われる事が多いです。

 
部屋から出られないようにする身体拘束は主に病院や施設介護など幅広く用いられる場合があります。

 
身体拘束の対象となるのは認知症の高齢者でピック病などの症状が強く出る人や、感染リスクの高い疾病を持っている人が多いです。
部屋から出られないようにする拘束は利用者・患者には開ける事が出来ないカギを部屋に付け、そこで生活させる事によって行われます。

 
身体拘束は拘束された本人の自由を奪う行いです。

 
身体拘束は命の危険のある、やむおえない場合の一時的な対処として用いられるべきですが、介護の現場では、「介護職の仕事の都合」を優先させた結果として身体拘束を行う事態が起きてきました。

 
利用者を人として扱う事が出来なくなった介護職は、利用者の人権を考える事が難しくなり、結果として虐待すらも「必要悪」として認識するような思考となるケースもあるのです。

 
身体拘束は、人の生活の中では命を救うための最終手段として用いるべきであり、利用者を物として扱うような身体拘束は決して行うべきではないでしょう。

 
身体拘束は全体的に認知症の人に対して行われる事が多いです。

 
認知症によって起こる行動に対処する為に身体拘束を行っているのであれば、認知症についてより深い理解を持ち、適切な対処をする事によって身体拘束廃止を目指したいものですね。

 
身体拘束が行われる事が日常的になってくると、介護職員が利用者を大切に思う気持ちや意識も低下してきます。
また、介護現場と日常生活の間に更に大きなギャップを生むこととなり、仕事に対する熱意ややる気も低下してきます。

 
身体拘束は利用者の安らかな日常を奪い行為である反面、介護職の健康的で安らかな日常を奪う行為でもあるのです。

 
また、仕事と日常生活の間でギャップが大きければ大きいほど、仕事に行くときの「仕事に行きたくない」という気持ちも大きくなりがちになり、最悪の場合、うつになってしまう人も居ます。

 
身体拘束以外の拘束としてはスピーチロックという物もあります。
スピーチロックとは身体拘束とは異なり「言葉による拘束」(speech lock)のことです。

 
言葉によって利用者の行動を抑制し、制限したりする介護者の「言葉による対応」を指します。

 
身体拘束をしない介護について考え、実践していくには利用者の必要としている事やニーズを読み取る介護技術が必要です。
何故、身体拘束をしなければならないような行動を利用者がしてしまうのか?という事をコミュニケーションの中から読み取っていくのです。

 
身体拘束をしない介護をする上では「集団生活」に目を向けた介護よりも、利用者を一人の個人として扱う「個別ケア」を実践していくのが効果的です。
個別ケアを実践していく上では「ユニットケア」という個別ケアを行うのにより適したケアを選択するのが良いでしょう。

 
また、個別ケアを実践していくにあたっては利用者に対して傾聴を大切にするようにしましょう。

 
傾聴をする事によって、利用者が今何を考えているのか?何を思ってそのような行動を引き起こすのか?という情報を引き出す事が出来、身体拘束を行わない介護を実践する糸口が見える事が多いです。

 
利用者の事を考えたユニットケア・個別ケアをとり入れ、尚且つ介護職員として利用者の行動の原理を傾聴によって解きあかし、対処していく事によって身体拘束を廃止する事が出来るのです。

 
身体拘束の事例については「身体拘束の事例 拘束のない介護を目指すために」で詳しく紹介していますので、チェックしていってください。

 

 

 

 

身体拘束廃止のチェックポイント

拘束がない
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

身体拘束廃止においては身体拘束廃止に向けたチェックポイントを確認する事によって、効果的に身体拘束を廃止出来るようにするべきでしょう。
身体拘束廃止についてのチェックポイントは次のような物があります。

  • 「身体拘束廃止」をトップが決意し責任を持って取り組んでいるか。
  • 「縛らない暮らしと介護」の推進チームを作るなど体制作りをしているか。
  • 各職種の責任者がプロ意識を持ってチームを引っ張り、具体的な行動をとっているか。
  • 「身体拘束とは何か」が明確になっており職員全員がそれを言えるか。
  • 「なぜ身体拘束がいけないか」の理由を職員全員が言えるか。
  • 身体拘束によるダメージ、非人間性を職員が実感しているか。
  • 個々の拘束に関して、業務上の理由か利用者側の必要性かについて検討しているか。
  • 全職員が介護の工夫で拘束を招く状況(転びやすさ、おむつはずし等)をなくそうとしているか。
  • 最新の知識と技術を職員が学ぶ機会を設け積極的に取り入れているか。
  • 利用者のシグナルに気付く観察技術を高めていく取り組みを行っているか。
  • 各職員が介護の工夫に取り組み、職種をこえて活発に話し合っているか。
  • 決まった方針や介護内容を介護計画として文書化し、それを指針に全員で取り組んでいるか。
  • 必要な用具(体にあった車椅子、マット等)を取り入れ、個々の利用者に活用しているか。
  • 見守りや、利用者と関わる時間を増やすために業務の見直しを常に行っているか。
  • 見守りや、利用者との関わりを行いやすくするために環境の点検と見直しを行っているか。
  • 「事故」についての考え方や対応のルールを明確にしているか。
  • 家族に対して拘束廃止の必要性と可能性を説明した上で、協力関係を築いているか。
  • 拘束廃止の成功体験(職員の努力)を評価し、成功事例と課題を明らかにしているか。

 
身体拘束は生命の危険があり、やむおえない場合に一時的な対処として用いられるべき行為であり、日常的に使用されるべき行為ではありません。

 
身体拘束は利用者の自由を、他人が奪う行為であり、日常的に身体拘束が行われているような現場では介護職員が利用者を人として見る事が出来なくなる危険もあります。

身体拘束によって短期的・長期的に身体拘束が行われた場合、次のような弊害が起こります。

  • 活動的な生活が出来ない事によるBPSDの発症
  • 活動を行う事が出来ない事によって起こる身体機能の低下
  • 継続的に同じ姿勢を保つ事による血流障害
  • 心理的な負担が続く事による精神疾患の発症
  • 意欲低下等の誘発による廃用症候群の発症
  • 感情的・行動的に不安定な状態になる

 
身体拘束は直接的な体の拘束なのに対し、精神的な拘束にはスピーチロックという物があります。
スピーチロックとは身体拘束とは異なり「言葉による拘束」(speech lock)のことです。

 
言葉によって利用者の行動を抑制し、制限したりする介護者の「言葉による対応」を指します。

 
身体拘束や、精神的な拘束であるスピーチロック等を使う事によって、利用者は健康面でのリスクや精神的なダメージを負う事になります。
拘束者となる介護職員も精神はすさみ、人を人として見る事が難しくなり、精神疾患に発展する事さえあります。

 
拘束の無い介護は利用者と笑い合って日常生活を営む事が出来、笑う事もあれば怒る事もある、何げない普通の事を行う事が出来る介護となってきます。
結果として介護職員としても楽な介護を生む状況を拘束を廃止する事によって作り出す事が出来るのです。

 
介護職員・利用者がお互いに安心して生活できる介護が楽な介護という事です。

 
身体拘束のチェックポイントや考え方を用いて、身体拘束を廃止する事が介護の現場で良い結果を作る事に繋がっていくでしょう。

身体拘束廃止のチェックポイントについては「身体拘束廃止のチェックポイント」でも詳しく紹介しているので、チェックしていってください。

 

 

 

 

身体拘束禁止について

身体拘束禁止
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

 
身体拘束は生命の危険のある、やむおえない場合に、一時的な対処として用いられるべき最後の手段であり、日常的に持ちいられるべき手法ではありません。

 
国としても介護保険制度の導入のタイミングで身体拘束を原則禁止するよう動きはじめました。

 
身体拘束として具体的に禁止されている内容について見ていきましょう。
身体拘束として禁止されている内容は厚生労働省が発行している「身体拘束ゼロへの手引き」(2001年)に記載されています。

 

  1. 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。
  2. 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひもなどで縛る
  3. 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む
  4. 点滴、経管栄養等のチューブを抜かないようにし、四肢をひも等で縛る
  5. 点滴、警官栄養などのチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋などを付ける
  6. 車椅子やいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車いすテーブルを付ける
  7. 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する
  8. 脱衣やおむつ外しを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる
  9. 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢を紐等で縛る
  10. 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる
  11. 自分の意志で開ける事の出来ない居室などに隔離する

 
身体拘束禁止としての基本的な考え方は「利用者の行動の意思を抑圧・抑制する」事や「利用者の行動の意思を薬などを用いて意図的に操作する」事です。

 
身体拘束の禁止事項を見てみると、禁止されているような状況に陥った時にどのような対処方法が考えられるかという事を予め決めておく事が重要です。
もちろん身体拘束禁止について個々の介護職員が意識を高く日常のなかで取り組んでいく事も重要です。

 
しかし、介護職員として働く以上、、一人の力では乗り切れない状況もあるでしょう。
身体拘束で禁止されているような内容を予め予測し、組織のなかで体制を組むことで、身体拘束を行わずともスムーズに対応できる事が重要です。

 
身体拘束禁止の事項を見る限り、主に認知症を「認知症」を軸にした身体拘束禁止の内容となっている事がわかります。

 
身体拘束に頼らない介護を実現する為にも、利用者の持つ認知症について深い理解を知る事が身体拘束を行わない介護を行う上での突破口になっていくでしょう。
身体拘束禁止に伴い、身体拘束を今まで行ってきた介護施設では身体拘束を廃止しようとする動きがあります。

 
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

 
身体拘束廃止においては身体拘束廃止に向けたチェックポイントを確認する事によって、効果的に身体拘束を廃止出来るようにするべきでしょう。
身体拘束禁止については「身体拘束禁止について 具体的に禁止されている内容」で詳しく紹介しているので内容をチェックしていってください。
 

 

 

 

身体拘束とは まとめ

身体拘束とは まとめ
身体拘束というのは、施設や病院などで、高齢者を、「治療の妨げになる行動がある」、や「事故の危険性がある」という理由で、ひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、ベッドや車椅子に縛ったりすることをいいます。

では、具体的に身体拘束はどんな事が該当するのでしょうか?

 
身体拘束として扱われる行為について厚生労働省は次の通りまとめています。

  • 歩き回らないようにベットや車椅子に胴や手足をひもなどで縛り、歩けなくする。
  • ベットなどから転落しないようにベットに胴や手足をひもなどで縛り、動けなくする
  • ベットの周囲を柵などで完全に囲んだり、高い柵を使用するなどして自分では降りられないようにする。
  • 点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、手足を縛ってしまう。
  • 点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、あるいは皮膚をかきむしらないように、指を思うように動かせなくするミトン型の手袋などを使う。
  • 車椅子やいすなどからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型の専用ベルト、腰ベルト(紐)などで車椅子・椅子に縛りつけたり、胴にぴったりと密着するテーブルをつけて立ち上がれないようにしてしまう。
  • 立ち上がる能力のある人を、座面を大きく傾かせたりする椅子に座らせるなどして立ち上れないようにする。
  • 服を自分で脱いでしまったり、おむつをはずしたりしてしまう人に、介護衣(つなぎ)とよばれるような、自分では脱ぎ着ができない特殊な服を着させる。
  • 他の人に迷惑をかけないように、ベットなどに胴や手足をひもなどで縛る。
  • 興奮したり、穏やかでなくなったりした人を落ち着かせるために、鎮静させる効果がある精神に作用する薬(向精神薬)を過剰に使って動けないようにしてしまう。
  • 鍵をかけるなどして自分では空けられないような部屋に閉じこめる。

身体拘束は行われてはいけないものとして扱われている事は既にご存知のことだとは思いますが、本当にやむおえない場合については身体拘束が行われる事が認可されます。

 
厚生労働省は身体拘束の緊急、やむおえない場合の定義として次のような規定を設けています。

  • 「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を満たす事
  • 上記の3つの要件を慎重に確認・実施されている場合に限る

 
身体拘束を行われる事が認められる基準は、命の危険が迫る緊急事態であり、身体拘束以外に取るべき手段がなく、拘束を行う期間も一時的なものである必要性があります。

 
また、それらの要件を適正に判断、管理されているという事が認可の基準という事になります。

 
身体拘束をしてはいけないという理由については次のような物があげられます。

  • 身体拘束が原因で命を落とす事がある
  • 拘束が拘束を呼ぶ悪循環となりやすい
  • 身体拘束をしないから事故が増えるわけではない
  • 身体拘束は拘束される本人の精神的な負担が大きい

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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