介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

高齢者の人権問題 経済や私たちのお財布に与えるダメージ

      2015/11/07


日本は超高齢社会となり、高齢者が激増しつつあります。
増える高齢者で問題となるのが、高齢者の人権問題です。

 
高齢者は、身体能力の低下や認知機能の低下、判断力の低下等々から人権が侵害されやすい傾向にあります。
また、認知症高齢者など、いちじるしく脳の機能が低下している人は、ものごとを判断する能力が低下しているため、より人権問題に巻き込まれやすいと言えます。

 
安全や安心がうたわれていた日本ですが、高齢者が増え続ける事によって、高齢者を狙った人権問題が今後も増え続ける事が懸念されます。
高齢者が日本の社会生活で受けやすい権利侵害について考えるとともに、日本経済にどのような影響があるのか?果てには私たちのお財布やお給料にはどのような影響が出るのでしょうか?

 
さまざまな角度から高齢者の人権問題について取り上げてみたいと思います。

 

 
高齢者の人権問題 経済や私たちのお財布に与えるダメージ
 

 

世間は高齢者の人権問題に淡泊である

世間は高齢者の人権問題に淡泊である
高齢者は、身体能力や、精神的な活動、また意欲の低下(要するにやる気の低下)などから、外に出る事や情報を収集する事、最近の世間の出来事に疎くなりやすいです。

 
高齢者は、さまざまな病気や疾患に悩まされる事が多く、人によっては中途障害を抱える事もあります。
高齢者は病気や疾患、障害から、介護を必要とする要介護者となる事が非常に多いのです。

 
高齢者の仲間内では病気や疾患、障害というのは当たり前のことであっても、理解の低い人からは差別や偏見などを受けやすいのが現実です。
また、悪質商法のターゲットになってしまったり、サービスや制度を十分に受ける事が出来ないと言った本来持っているはずの権利を奪われる方が非常に多いのです。

 
健康な若い人から、たとえ、人権を侵害されなかったとしても「老人の事は関係が無い」「大変そうだね」といった目線で見られる事もあり、高齢者の人権問題に対して淡泊な人が多いことも実情です。

 

 

 

 

高齢者の人権問題は世間全体の人権問題 経済に与える影響

高齢者の人権問題は世間全体の人権問題 経済に与える影響
高齢者の人権問題に対して、淡泊にとらえる人は多いものです。
しかし、高齢者の人権問題というのは最終的に、社会全体に影響を与える事になります。

 
高齢者の人権問題が蔓延し、日常化すればするほど、日本の経済は打撃を受ける事になり、マネーの流れは滞る事になります。
今後、日本の今の労働者が定年を迎え、劇的に日本の労働人口が減る事になります。

 
日本の労働人口が減るという事は、つまりは物を作る人口も減る事を表す事でもあり、外貨を稼いだり、今まで当たり前に受けられたサービスを今後受けられなくなる可能性があるという事も表しています。

 
悪資質商法や、おれおれ詐欺などの対象に高齢者がターゲットになれば、表社会からはマネーが消える事になり、裏社会にマネーが回る事になります。
裏社会に多額のマネーが回る事に慣れば、結果として表社会のマネーが減る事にもつながるので、一般的な労働者の賃金に影響を与える事になるでしょう。

 
また、高齢者人口が増えるという事は、消費者の多くが高齢者になるという事です。
高齢者が人権問題に巻き込まれ、十分な消費活動を行う事が出来なかったり、高齢者を軽視するようなサービスが普通になっているようでは、日本全体としての消費が低下し結果として、経済の低迷を招く事になるでしょう。

 
もちろん、経済の低迷が招かれるという事は、自分たちのお給料が増える事はなく、逆に税金ばかり増えると言った事態にもつながりかねません。
高齢者の人権問題は、今や日本という世間全体の経済的な問題に直結するほどの影響力があるのです。

 

 

 

 

高齢者の人権問題 差別や偏見

高齢者の人権問題 差別や偏見
高齢者の中には、病気や疾患、障害から要介護となり、介護なしに一人では生活が困難な人が多くいます。

 
介護を必要としている要介護の高齢者であっても、「介護を必要としていたとしても」社会生活の能力が失われていたり、自分の役割を失っているわけでは無いのです。
しかし、介護を必要としている高齢者だからという理由で社会から遠ざけられ、力の無い人間として差別や偏見を受ける事が多くあります。

 
現代の日本の構造では、高齢者の意欲(やる気)しだいでいくらでも社会的な活動を行う事が可能な時代になってきていますが、差別や偏見などの人々の認識や態度によって、要介護者の経済活動が阻害されてしまったり、最悪の場合、排除されてしまう現実があります。

 
高齢者イジメをするような人も出てきて、高齢者の心を傷付けたり、やる気を低下させたり、立場を落とすために足を引っ張ったりする人も中にはいます。

 
このように、高齢者の人権問題には差別や偏見からくる、経済活動の阻害や排除、高齢者イジメといった問題があるのです。

 

 

 

 

高齢者の人権問題は働き手にも影響を与える

高齢者の人権問題は働き手にも影響を与える
高齢者は、これまでの日本を作り上げてきた感謝すべき存在です。
しかし、昨今の高齢者の人権問題は、高齢者のみならず周りの人間の人権をも侵害するようになってきています。

 
先ほども申し上げましたが、高齢者は病気や疾病、障害から介護を必要とする人が多くいます。
高齢者にももちろん家族が居て、高齢者を家族介護で介護する場面も少なくはありません。

 
しかし、家族介護で行う場合、介護の負担が大きいことや、介護をしながら仕事をする事が困難な現実があります。
健康で安心して幸せになる事が権利として認められている日本では由々しき事態と言えるでしょう。

 
最近では介護休業という制度が出来ている企業があり、以前と比較すれば家族介護に専念する敷居は低くなったかのように見えます。
しかし、多くの企業で介護休業という制度を制定しているものの、実質的に現場復帰が難しい状況を作り上げたり、十分なサポート体制がない等の問題が浮上しつつあります。

 
場合によっては「企業の規則だから」と言って、介護を必要としている人の生活スタイルを認めなかったり、本人の意向を組み入れないという事もあるのです。

 
企業としては高齢者の親を持つ家庭を考慮すべき内容であり、昨今の日本の現状を見る限り、家族の介護を認めない事そのものが高齢者に対する差別と偏見を持つものと等しいことである事を認識すべきです。

 
この企業が持つ高齢者に対する偏見によって、働き手である従業員の人権をも侵害されているのです。
高齢者の人権問題は、今の日本の働き手にとっても影響を与えているのです。

 
企業としては、こういった方を受け入れる事で、国から税金が一部免除されるなどの経済的な支援を受けています。
しかし、この国からの補助だけを目当てに雇用だけして、働きやすい環境を作ろうとしないケースもあります。

 
これらの状況は「差別」「偏見」によって生み出された結果の一つです。
高齢化がすすんだり、人が足りないと言っている昨今、「差別」「偏見」により「高齢者」や「障がい者」の経済活動を奪うような権利の侵害は誰にとっても不利益とつながります。

 

 

 

 

高齢者の人権問題 悪質商法のターゲットになりやすい

高齢者の人権問題 悪質商法のターゲットになりやすい
高齢者は高齢に伴う老化の影響で、脳の働きが鈍くなったり、認知機能の低下によって物事を即座に判断する事、正しく理解する事、自分の意見を押し通す事などが難しくなる傾向が強いです。

高齢者の老化に伴う影響に目をつけ、財産の搾取や不当な売買契約を結ばされる悪質商法や、詐欺などの犯罪が社会的な問題となっています。

 
悪質商法や先などの犯罪のターゲットになりやすい高齢者の人権問題を解消していくには、法律や保護制度や犯罪防止の観点から、高齢者本人のみならず、周囲の人と一緒に対策することが非情に重要です。

 
特に高齢者は「誰かの役に立ちたい」「誰かの為になりたい」と考えている人が多く、感情的には社会に必要とされない思いや、親しい友人が亡くなる等の境遇、子供たちと一緒にいない等の影響で、寂しいという気持ちの人が多いのです。

 
このような心理的な影響や思考によるものと、更には高齢者の老化に伴う思考の鈍りや認知機能の低下による判断力、理解力、意思の低下が重なる事で、「買う事で誰かの役に立つ」という短絡的な思考に陥りやすいのです。

 
高齢者の人権問題として、このように高齢者の弱みに付け込んだ商売方法は悪質商法をとらえる事が出来るでしょう。
あくまで商品やサービスは利用する人がより便利に生活を送る上で購入すべきであって、弱みに付け込んで売りつける物ではありません。

高齢者の方の弱みに付け込んで財産を搾取するなどという悪質な権利侵害は高齢者の人権問題として早期に解消すべき問題でしょう。

 

 

 

 

高齢者の人権問題 サービス・制度の情報が不十分

高齢者の人権問題 サービス・制度の情報が不十分
高齢者の人は、介護保険や、場合によっては障害者支援や生活保護などを受ける事が出来ます。
高齢者の健康状態、生活、家族との関係、経済状況を考慮・判断し、利用可能なサービス制度というのは現在の日本ではさまざまな物があります。

しかし、高齢者が本欄利用する事が出来るサービス制度の十分な情報が提供されていなかったり、相談や支援の体制が十分ではなかった事で利用する事が出来ずに結果として生活上の支障を来している問題があります。

 
通常であれば、サービス・制度を利用する為の手段や、その手段を知る方法というのが提供されているのが望ましい形です。

 
このように利用できるはずのサービス・制度を利用する事が出来ない状態、つまり情報不足の状態では「本来できるはずの生活を奪っている」状態ともとらえる事が出来、高齢者の人権を奪っていると考える事もできるのではないでしょうか。

 
もちろん、これは高齢者でなくとも、私たち一般的な市民であっても同じことが言えます。
本来受ける事が出来たはずのサービスを、情報が十分に提供されていなかった事で受ける事が出来なかった場合は誰だっていやな気分になるはずです。

 
もし知っていたら200万円の生活費が浮くような制度があって、その制度について十分な説明や情報が提供されていなければ人によっては怒りを覚えるかもしれませんね。

 
このように、本来受ける事が出来たはずのサービスについて、周知や手段を整備されていない状況であった場合、高齢者に対して人権問題が多かれ少なかれ存在するという事です。

 

 

 

 

高齢者の人権問題 まとめ

高齢者の人権問題 まとめ
超高齢社会に突入した日本であっても、高齢者の人権問題にはいまだに淡泊であるという現実があります。

 
健康な若い人から、たとえ直接的に人権を侵害されなかったとしても「老人の事は関係が無い」「大変そうだね」といった目線で見られる事もあり、高齢者の人権問題に対して無頓着な人が多いのです。

 
しかし、高齢者の人権問題というのは最終的に、社会全体に影響を与える事になり、若い世代や健康的な人からしても決して関係の無い話ではありません。

 
高齢者の人権問題は慢性化し、日常化すればするほど最終的に経済の低迷が招かれる事態となります。
経済の低迷が招かれるという事は、自分たちのお給料が増える事はなく、逆に税金ばかり増えると言った事態にもつながりかねません。

 
高齢者の人権問題としては差別や偏見があります。
高齢者の人権問題には差別や偏見からくる、経済活動の阻害や排除、高齢者イジメといった問題があるのです。

 
また、高齢者の人権問題は働き手にも影響を与えます。
高齢者にももちろん家族が居て、高齢者を家族介護で介護する場面も少なくはありません。

 
最近では介護休業という制度が出来ている企業があり、以前と比較すれば家族介護に専念する敷居は低くなったかのように見えますが、多くの企業で介護休業という制度を制定しているものの、実質的に現場復帰が難しい状況を作り上げたり、十分なサポート体制がない等の問題が浮上しつつあります。

 
この企業が持つ高齢者に対する偏見によって、働き手である従業員の人権をも侵害されているのです。
高齢者の人権問題は、今の日本の働き手にとっても影響を与えているのです。

 
高齢者の人権問題としては悪質商法のターゲットになりやすい点も大きな問題です。
高齢者の老化に伴う影響に目をつけ、財産の搾取や不当な売買契約を結ばされる悪質商法や、詐欺などの犯罪が社会的な問題となっています。

 
あくまで商品やサービスは利用する人がより便利に生活を送る上で購入すべきであって、弱みに付け込んで売りつける物ではありません。
高齢者の人権問題として、このように高齢者の弱みに付け込んだ商売方法は悪質商法をとらえる事が出来るでしょう。

 
高齢者の人権問題 サービス・制度の情報が不十分な場合が多い事も忘れてはいけません。
高齢者の人は、介護保険や、場合によっては障害者支援や生活保護などを受ける事が出来ます。

 
しかし、高齢者が本来利用する事が出来るサービス制度の十分な情報が提供されていなかったり、相談や支援の体制が十分ではなかった事で利用する事が出来ずに結果として生活上の支障を来している問題があります。

 
高齢者は様々な人権問題を抱えつつ、今までの激動の日本を生き抜いてきた中で更に人権問題という壁に立ち向かっています。
高齢者の人権問題に対して、関係が無いんだというのではなく、「私たちのお財布にまでダメージがあるんだ!」という事を認識する必要があるでしょう。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

スポンサーリンク




 - 社会 ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

高齢者
日常生活自立支援事業とは 介護に関わる制度

介護の仕事をする上で「日常生活自立支援事業」について知っておくことは重要です。 …

都市
都市化による介護の課題

一昔前と比べて、現代の日本では都市化が進んでいます。 都市化により産業が発達し、 …

福祉が提供する施設について
福祉が提供する施設について 

日本における福祉では様々な形で生活の場を提供しています。 施設を利用する人が生活 …

社会福祉法とは?福祉のキホンをおさえよう
社会福祉法とは?福祉のキホンをおさえよう

社会福祉法は社会福祉に従事する人や、これから社会福祉で働きたいと思っている人が知 …

難病対策について そもそも難病とは?
難病対策について そもそも難病とは?

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、日本でも難病があります。 難病は普通の病 …

人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろうか
人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろう

世界に目を向けてみると人権ってなんだろう?と思う瞬間は無いでしょうか。 人を人と …

のぞく
個人情報・秘密保護に関する制度 介護士が知っておく事

最近では個人情報保護や秘密情報の保護に対しての意識が世間的に高まっています。 意 …

介護士の医療行為の実態と出来る事について
介護士の医療行為の実態と出来る事について

介護士は最近では医療機関で働く機会が増えています。 また、仕事の内容としても医療 …

感染症や結核対策について
感染症や結核対策について 保健医療にかかわる制度

感染症や結核については昨今のニュースやメディアの報道で話題になっている事のひとつ …

障害者虐待防止法とは 障害者の虐待を守る法律

虐待と聞くとテレビで見ているだけでは中々身近に感じる事が出来ない事の一つです。 …