介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

高齢者 「できましたね!よかったですね!」で相手の意欲を引き出す

      2015/11/07


高齢者の方の中には逆境に負けず、日々懸命に努力を続ける人がいます。

 
「自分で生き抜く力」を手に入れようとしている人も多く、その人にとっては人生をかけた戦いともいえるのです。
周りから見れば何でもない事が、その人にとって大きな課題になっている事があります。

 
では、そんな人が「大きな一歩」を踏み出したときどんな事に気を付け、どのように言葉がけをすればよいのでしょうか?

 
この記事では「高齢者 「できましたね!よかったですね!」で相手の意欲を引き出す」について書いています。

 

 
高齢者 「できましたね!よかったですね!」で相手の意欲を引き出す
 

 

脳梗塞の後遺症で、左の上下肢に麻痺の障害が残ってしまったAさん

脳梗塞の後遺症で、左の上下肢に麻痺の障害が残ってしまったAさん
例えば、脳梗塞の後遺症で、左の上下肢に麻痺の障害が残ってしまったAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは65歳、毎日、少しでも機能を回復させようと自宅でボタンを留める、左の袖に手を通すなどの訓練(リハビリ)に励んでいます。

 
このような人がもし、左の袖に手を通す事が出来たら、はたまはボタンを留める事が出来たらどのような声掛けや、言葉がけを掛けると良いのでしょうか?

 

 

 

 

できましたね!よかったですね!(成功例)

できましたね!よかったですね!(成功例)
Aさんが左の袖に手を通す事が出来たとき、「出来ましたね!よかったですね!」という言葉を使うと効果的です。
ほんのわずかな進歩に対してもできたことの確認の意味に加え、相手のうれしい気持ちに共感・共鳴したことが伝わります。

 

 

 

この言葉のポイント

「できましたね!よかったですね!」のポイントを見ていきます。
ここでのポイントは「第三者」になるのではなく「当事者」に一緒になる事です。

 
その人にとって人生を掛けた戦いというものは、驚くほどの孤独感を感じているケースもあるのです。
それを「一緒に目指す人」であろうとする姿が、Aさんにとってリハビリのやりがいの一つとなるのです。

 
そして、相手の喜びに呼応するように「共感・共鳴」する事で、相手が自分で表現する事の出来ない喜びを表現する事が出来るのです。
これは相手の喜びを盗むようなものではなく、「Aさんと、あなたで2倍の喜び」を作り上げる印象を与える事でAさんの次のステップへの意欲を引き出します。

 
相手の人が目上の人であればあるほど、相手の尊厳を大事にしたうえで、相手と喜びを分かち合う言葉には注意が必要ですが、「感動」によって生まれた言葉に良し悪しもないのです。

 

 

 

 

上手上手(失敗例)

上手上手(失敗例)
他に、ほめ言葉である「上手上手」という言葉はどうでしょうか?

 
これは相手の出来たことをほめることには変わりないのですが「一般的に目下の人に対して使う言葉」であり、相手の自尊心を傷つけ、自身を失わせることもあるので注意しましょう。

 
特にリハビリに励む人は自分の持っている身体機能を「コンプレックス」と感じている事もあります。
このコンプレックスを抱えた人に対し「上手上手」のように目下の扱いをしてしまった場合、その人の意欲を低下させ、更にコンプレックスを大きくする事にもつながりかねません。

 

 

 
介護する人とされる人は対等な立場で、それをお互いに感じ、お互いの思いを伝えあえる雰囲気作りが大事です。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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