介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

老化は感覚を大きく変化させる?!

      2015/11/07


体が老化すると体が思うように動かなくなったり、さまざまな病気にかかりやすくなると言われています。
その他、「感覚」も若いころと比較すると大きく変わってくるとも言われています。

 
人間は体を動かす事も重要ですが、目で見る感覚、耳で聞く感覚、肌触りなど皮膚の感覚といった「感じる事」でさまざまな判断を行う生き物です。
この感覚が老化によって変化するのであれば、これらに関わる体の機関を大切にしていかなければいけないのではないでしょうか。

 
この記事では老化に伴う感覚の変化について述べています。

 

 
老化は感覚を大きく変化させる?!
 

 

老化による「見え方」の変化

老化による「見え方」の変化
人は目で物を見てさまざまな判断を下します。
その中で大切な感覚は「視覚」です。

 
視覚は人間の活動においてとても重要な役割を果たします。
物のかたちや大きさ、動き、色など、外界からの情報の8割は視覚によると言われている程です。

 
人間の視力は、40歳くらいから低下し、75歳を過ぎると急激に低下すると言われています。
視力が低下する事によって、近くの物がぼやけて見えるようになります。
これを「老視(老眼)」といい、誰にでも訪れる老化現象です。

 
細かな字がかすんで見えにくい、少し暗くなると本が読みづらい、近くの物がぼやけて見える等の訴えをきく事があります。
このような事には、適切な老眼鏡を使用する事で解消できます。

 
視覚に関わる物で代表的な感覚は他にも次のような感覚があります。

  • 視野
  • 光覚
  • 色覚

 
それぞれの感覚機能の変化についてみていきましょう

 

 

 

老化による視野の変化 視野が狭くなる

 
「視覚」に関わるものとしては「視野」も加齢に伴って狭くなります。
そのため、物によくぶつかる、転倒する、近くの物を探せないなどという事がおこります。

 

 

 

老化による光覚の変化 明るさに順応できない

更に光を感じる「光覚」も変化します。光覚とは光の明暗を識別する能力です。
加齢により瞳孔の光量の調節能力が低下する為、眼暗順応が低下します。

 
明暗順応とは、暗い場所から明るい場所に出た際に、眼が明るさになれる事、逆に暗さに目が慣れる事を言います。
明るい場所から暗い場所への移動は、暗がりに慣れるまでの間は、視覚情報が途絶える為、足元を照らすなどの工夫が必要です。

 

 

 

老化による色覚の変化 色の区別が難しくなる

色覚の低下は、水晶体の編成により起こり、黄ばみや透過性に変化が生じます。
物が黄色がかって見えるようになり、白色を黄色の区別、紺色と黒色の区別が困難になります。

 
逆に、赤色や橙色などの暖色系は高齢者の目にもとまりやすいと言えます。

 
屋内外とも段差や突出物などに色の変化をつけたり色の違いが判る配色に変えたりして、注意を促す環境の工夫が必要です。

 

 

 

 

老化による「聴こえ方」の変化

老化による「聴こえ方」の変化
聴こえ方に関わる体の感覚としては「聴覚」があります。
聴覚は他の人との音声言語によるコミュニケーションや、歌やメロディを聴く楽しみ、危険の認識など、重要な役割を果たします。

 
耳で音を感じる為の機関としては次の3つがあります。

  • 外耳
  • 中耳
  • 内耳

 

 

 

老化にともなう「内耳」の変化

加齢に伴うもっとも大きな変化は「内耳」に現れます。
内耳には次のような機能があります。

  • 聴覚、平衡感覚をつかさどっている
  • 音の振動を電気信号に変換し、脳に伝える
  • 頭の回転を感知し、電気信号に変換し、脳に伝える

 
この内耳に変化が起こると、音が小さく聞こえるだけではなく、音にゆがみが加わり、はっきりと聞こえなくなり、難聴になってしまう事があります。
このような難聴を「感音性難聴」といい、高齢者の難聴の多くを占めています。

 
もう一つの特徴として、「1時(いちじ)」や「7時(しちじ)」というような似た音に対しての聞き取りが悪くなったり、どちらの方向から声や音がしているのかがわかりにくくなったりします。

 
また、耳鳴りなどの減少も見られます。低音域の部分的な聞き取りは可能ですが、一部の高い音や声が聞き取りにくくなるため、本人は「変に聞こえている」と感じる事が多いようです。

 

 

 

老化にともなう「外耳」や「中耳」の変化

外耳や中耳の何らかの原因によって起こる「伝音性難聴」もあります。
外耳や中耳はそれぞれ次のような機能を持っています。

 
【外耳の機能】

  • 音波を集める
  • 音波を「中耳」に伝える通り道を持っている
  • 集めた音波が鼓膜を振動させる
  • 振動を「中耳」に伝える

 
【中耳の機能】

  • 鼓膜の奥の「鼓室」で、鼓膜の音波を増幅し「内耳」に伝える

 
これらの機能は「内耳」が音を脳で感じるのに関わるのに対して、音を物理的に処理できる形に集めて増幅する機能と言えます。
なので「伝音性難聴」の場合は、これらの機能が十分に働かず音が小さく聞こえる状態になるため、補聴器でこの機能を補う効果を期待する事が出来ます。

 
高齢者との対話においては、声の高さや大きさ、話す速度、文章の長さ、表情や身振り手振りを交えた表現、聞き取りやすい静かな環境づくり、内容が聞き取れているかの確認などの配慮が必要と言われているのは、これらの「聴こえ方」の変化が関係しているのです。

 

 

 

 

老化による「皮膚感覚」の変化

老化による「皮膚感覚」の変化
肌から感じる感覚は次のような感覚から成り立っています。

  • 温度覚
  • 触覚
  • 振動覚
  • 痛覚

 
これらの感覚のことを総称して「皮膚感覚」と呼びます。

 
老化によって皮膚にある感覚受容器(感覚点)の機能が低下すると外的な刺激に対しての反応が鈍くなります。
更に、加齢による体温調節機能の障害や、寒冷刺激に対する近くの低下などが適応力の低下を招き、さまざまな体の疾患に繋がる事があります。

 
「感覚点」とは、皮膚に点のように分布する感覚部位です。この感覚点には「触点」「温点」「冷点」「痛点」「圧点」があり、ここで皮膚感覚を感じます。

 
例えば、夏に衣服を何枚も重ねて着たり、若い人には快適な冷房でも寒くて震えていたりする高齢者もいるのはこれらの機能の変化が影響しているのです。

 
痛覚の加齢に伴う変化はやや複雑です。
痛みは体の内外にある脅威を警告し、身を守る役割を果たします。

 
しかし、高齢者の場合、普段からあちらこちらに痛みがある場合が多く、痛みを感じず過ごしている事もあるため、全身の状態観察が重要です。

 
日常生活においては転倒やけが、低体温ややけど、褥瘡の発生などに注意する事が必要です。

 
自分から、痛みの訴えを適切に表現する事が難しい事もあるため、周囲の人に皮膚の状態を観察してもらったり、その逆にしてあげる等をする事が重要となります。

 

 

 

 

まとめ

指
この記事のまとめです。

  • 視覚は人間の活動においてとても重要な役割を果たします。物のかたちや大きさ、動き、色など、外界からの情報の8割は視覚によると言われている程です。
  • 視覚に関わる物で代表的な感覚は次のような感覚があります。
    1. 視野
    2. 光覚
    3. 色覚
  • 「視覚」に関わるものとしては「視野」も加齢に伴って狭くなります。
  • 加齢により瞳孔の光量の調節能力が低下する為、眼暗順応が低下します。
  • 物が黄色がかって見えるようになり、白色を黄色の区別、紺色と黒色の区別が困難になります。
  • 聴覚は他の人との音声言語によるコミュニケーションや、歌やメロディを聴く楽しみ、危険の認識など、重要な役割を果たします。
  • 耳で音を感じる為の機関としては次の3つがあります。
    1. 外耳
    2. 中耳
    3. 内耳
  • 加齢に伴うもっとも大きな変化は「内耳」に現れます。
  • この内耳に変化が起こると、音が小さく聞こえるだけではなく、音にゆがみが加わり、はっきりと聞こえなくなり、難聴になってしまう事があります。
  • 外耳や中耳の何らかの原因によって起こる「伝音性難聴」もあります。
  • 「内耳」が音を脳で感じるのに関わるのに対して、音を物理的に処理できる形に集めて増幅する機能と言えます。
  • 「伝音性難聴」の場合は、これらの機能が十分に働かず音が小さく聞こえる状態になるため、補聴器でこの機能を補う効果を期待する事が出来ます。
  • 肌から感じる感覚は次のような感覚から成り立っています。
    1. 温度覚
    2. 触覚
    3. 振動覚
    4. 痛覚
  • 老化によって皮膚にある感覚受容器(感覚点)の機能が低下すると外的な刺激に対しての反応が鈍くなります。
  • 更に、加齢による体温調節機能の障害や、寒冷刺激に対する近くの低下などが適応力の低下を招き、さまざまな体の疾患に繋がる事があります。
  • 自分から、痛みの訴えを適切に表現する事が難しい事もあるため、周囲の人に皮膚の状態を観察してもらったり、その逆にしてあげる等をする事が重要となります。

 

 
目で見る、音を聞く、肌で感じる事は自分の身を守る上ではとても重要な感覚機能です。

 
他にもこれらの機能は知的好奇心や娯楽等の欲求を満たす事にも使われる機能なので、これらに関わる器官を大切にしていく事は、人生を歩む上での楽し
みを持続させていく可能性に繋がっていくでしょう。

 
自らが持って生まれた幸せを最大限維持する事が、人一倍の幸せを手にしていくコツなのかもしれません。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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