介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

「自分」と「生きがい」について考える

      2015/11/07


自分とはなんなんだろう
自分は誰なんだろう
自分の生きがいってなんだろう
いつもなんだか満たされていない気がする

 
最近はこのような思いを抱える方が増えています。
若い人にこのような思いを抱える方が多い傾向がありますが、超高齢化社会となった現代では全世代を通じてこの思いを抱えているそうです。

 
このような悩みに対して、「自分とはなんなのか?」という事を分析し「生きがいとはなんなのか?」という事について知り、「自分の生活の質はどうなのか?」という事を考えてアプローチしてみてはいかがでしょうか。

 
また、超高齢社会を迎えた今、福祉サービスを利用する高齢者が年々増加し、利用者の生きがいや生活の質の向上維持についてとても注目を集めています。
そういった事を考える上でもこれらの考えを応用して使っていく事がヒントとなるかもしれません。

 
この記事では「自分と生きがいについて考える」事について述べています。

 

 
「自分」と「生きがい」について考える
 

 

「自分」とは

「自分」とは
「自分」を考える上で、まず「”自分”とはなんなのか?」という事を考えてみましょう。
「自分」を考える上で「自己概念」という考え方を用いるのが効果的です。

 
「自己概念」とは一人称として用いられるもので、「他の人がいる事で初めて自己として認識されるもの」です。
いうなれば「自分が誰で、どんな人間かを意識する概念」と言えます。

 
この自己概念に影響を与える物を大きく二つに分けた場合、次のようになります。

  • 自分自身に関する事
  • 自分自身以外の事

 
自分自身に関する事とは「身体・精神面での発達」「老化」「社会や環境の適応」などがあげられます。さらに脳の老化に注目した場合は「知能」「記憶力」「判断力」もこれに該当します。

 
自分自身以外のこととは「他人」「環境」「分化」「社会」など、自分を取り巻くものを指します。

 
このように「自分自身に関すること」と「自分自身以外のこと」を上げてみると「自分とは何者か?」という事が見えてきます。
自分の事を客観的に見る上でとても使える方法です。

 

 

 

 

「自分」を作るライフステージについて考える

「自分」を作るライフステージについて考える
先ほど紹介した「自己概念」は、人としての発達段階ごとの自分の身体・精神の状況、さらに、自分を取り巻く環境や社会の状況の組み合わせによって影響をうけて作り出されていると言われています。

 
「自分」を作り上げる発達段階としては次のような段階を上げる事が出来ます。

  • 乳幼児期・児童期
  • 思春期・青年期
  • 成人期
  • 老年期

 
それぞれの発達段階ごとに、どのように自己を作り上げているのか見ていきます。

 

 

 

乳幼児期・児童期

この時期では、身体・精神ともに発達過程です。
そのため、親との信頼関係を構築したり、行動面では自分自身をコントロールする事を学習したりします。

 
周囲から大きな影響を受ける段階で、特に、この発達段階では親からの影響を多大に受ける時期とも言えます。

 

 

 

思春期・青年期

この時期では、身体的には第二次性徴を迎え、精神的には大人になるための猶予期間です。
この時期では自分とはこういう人間だという「アイデンティティ」を確立する時期です。

 
この時期から「親」や「学校」が主に取り巻く環境だったのが「社会」へと広がっていく時期です。

 

 

 

成人期

この時期の取り巻く環境は、職場、家庭、社会と多くの環境と関わる事となります。
また、連帯感が生じる一方、その環境ごとに義務と責任が生じる事によるストレスも大きくなる時期です。

 
一般的には「大人」と自他共に認識をする時期と言えます。

 

 

 

老年期

加齢に伴い身体機能や精神機能が衰え、喪失体験がある一方、経験が蓄積され、人格も円熟・調和されます。
この場合、これまでの自分の人生の意味や価値、新たな方向性を見出すことによって自己実現する事も可能となってきます。

 

 

 

 

生きがいについて考える

生きがいについて考える
自分とはなんなのか?誰なのか?という事を理解する事が出来たら、次は「生きがい」について考えてみましょう。
生きがいを考える上で「マズローの5段階欲求説」について紹介しておきます。

 
マズローの欲求階層から探る 相手と自分の欲求」でも紹介していますが、人間の持つ欲求を5段階に階層化し、欲求について分析したものです。

 
「生理的欲求」から「承認欲求」までは、外部からの物や人によって満たされる事から、「欠乏欲求」と呼ばれています。
この欠乏欲求が満たされて初めて「自己実現の欲求」が生じると言われています。
この自己実現の欲求は別の呼び方で「成長欲求」と呼ばれています。

 
自己を実現したいという事は、人間の欲求の特徴の一つです。
これにより、自分の才能、能力、可能性を十分に活かし、自分を作り上げ、出来る最善を尽くそうとする事を求めるのです。

 
これが「生きがい」につながっていきます。

 
このような自己実現の欲求の達成、すなわち、人が一生を通じて一人の人間として尊重され、自分らしく生きていく事は誰しもが望むものです。
そうした思いにこたえるためには、自分の人生を自分で決めて、周囲からも一人前として尊重される社会を作り上げていく事が必要となります。

 
それには「自分とはなんなのか?」という「自己概念」と、先ほど紹介した「マズローの欲求階層説」がとても有効な手掛かりとなります。

 

 

 

 

自分の生活の質について考える

自分の生活の質について考える
年を重ねれば老化による心理や行動への影響が出てきます。この事は「老化が与える心理的影響について」「体の衰えは心の衰えにもつながる?!」「高齢者の社会環境の変化と心への影響」でも紹介しているので参考にしてみてください。

 
生活の全体像を考えるための一つの指標として「QOL(生活の質)」があります。
QOLとは、ある人の生活全体としての継続的な質の高さに着目する考え方です。

 
近年では、介護の領域で特にこの概念が重視されていて、QOLの維持・向上は介護の目標とも言えます。

 
生活の質というと、良い家に住み、高級な料理を食べられる等を想像しがちですが、必ずしもそうではありません。
本人が「住み慣れた町で、今までと変わらぬ暮らしこそ幸せ」と考えるのであれば、その生活を継続して送る事こそが「質の高い生活」と言えます。

 
これと同じように「自分の生活の質」が「高い」か「低い」かは「自分が求めている事」と「現在の自分の状況」のギャップが大きいか、小さいかでも測る事が出来るのではないでしょうか。

 
自分自身がどのような生活を送りたいか、という事を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

まとめ

指
この記事のまとめです。

  • 「自分」を考える上で、まず「”自分”とはなんなのか?」という事を考えてみましょう。
  • 「自分」を考える上で「自己概念」という考え方を用いるのが効果的です。
  • いうなれば「自分が誰で、どんな人間かを意識する概念」と言えます。
  • 自己概念に影響を与える物を大きく二つに分けた場合、次のようになります。
    1. 自分自身に関する事
    2. 自分自身以外の事
  • 「自己概念」は、人としての発達段階ごとの自分の身体・精神の状況、さらに、自分を取り巻く環境や社会の状況の組み合わせによって影響をうけて作り出されていると言われています。
  • 「自分」を作り上げる発達段階としては次のような段階を上げる事が出来ます。
    1. 乳幼児期・児童期
    2. 思春期・青年期
    3. 成人期
    4. 老年期
  • 生きがいを考える上で「マズローの5段階欲求説」があります。
  • 欠乏欲求が満たされて初めて「自己実現の欲求」が生じると言われています。
  • 自己を実現したいという事は、人間の欲求の特徴の一つです。
  • これが「生きがい」につながっていきます。
  • 生活の全体像を考えるための一つの指標として「QOL(生活の質)」があります。
  • QOLとは、ある人の生活全体としての継続的な質の高さに着目する考え方です。

 
自分自身が何者か?誰に聞いても答えてくれるわけでもなく、このような悩みを抱えている当人は実は心のなかで大きなストレスを抱えている事もあります。
その様な時は「自分探しの旅」と称して、「自分とは何者か」について分析し、自分の生きがいについて目指すものを考え、自分の生活の質を認識する事で満たされない本当の理由を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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