介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

老化が与える心理的影響について

      2015/11/07


人は誰しも年をとります。
年を取れば色々と人生の経験上得ている物は多いかもしれませんが、一方で身体機能の低下などが出てきます。

 
さらに、身体機能の低下が起こると心理的にも大きな影響を与えてきます。

 
老化が与える心理的影響について理解する事で、高齢者の方に接する上でのヒントになったり、自分自身の今後について考える事が出来るようになるでしょう。

 
この記事では老化が与える心理的影響について述べています。

 

 
老化が与える心理的影響について
 

 

老化が及ぼす心理・行動を理解する為の考え方

老化が及ぼす心理・行動を理解する為の考え方
老化は時間経過による加齢に伴った生理機能の低下としてとらえられている事が多いです、
しかし、高齢者を取り巻く様々な社会的な側面の変化も、高齢者の生活に大きな影響を与えています。

 
また、加齢によって生じる老化現象に病気やけがなどが加わると、さらに強く心や行動に影響を与える原因となります。

 
風邪をひくと心細くなるのと同じように、大きなケガや病気、更には身体機能の低下などが加わる事によって老化に伴い心理的・行動的に大きな影響を与える事になるのです。

 

 

 

 

一人の人間として理解する重要性について

一人の人間として理解する重要性について
一般的には「高齢者とはこのような人だ」というイメージを持ちがちです。
このように「高齢者とは」という一律的な考え方は、一人ひとりの高齢者の心を理解する妨げになる場合があります。(逆に「最近の若者は」という事も言われたりはしますが)

 
このような考え方は「ステレオタイプ」と呼ばれています。

 
高齢者とコミュニケーションを図ったり、支援をしたりする場合には、このステレオタイプで見てしまうと、相手の「個人」としての見方がかけてしまう事があるため、一人の人間として理解していく姿勢や考え方がとても重要になります。

 

 

 

 

老化には個人差がある

老化には個人差がある
時が過ぎると人は年齢を重ねます。この事は誰にでも等しく訪れる、いわば自然の摂理のようなものです。
しかし、老化を「心身の機能」として見た場合は、少し異なってきます。

 
もちろん、老化による心身機能の変化は誰にでも生じる事です。しかし、変化の程度は同じ年齢であっても個人差が大きいことが特徴として挙げられます。

 
同じ年齢であれば、だれでも同じように、老化による機能の低下が起こっていると考え、対応していく事は少し違います。

 
例えば、「聴力」が老化によって低下する事は誰もが知っている事です。
そのため、高齢者に対し、「大きな声でゆっくりとはっきり話す」という方法がよく取られます。

 
しかし、聞こえにくさには個人差があり、必要以上に大きな声を出したり、ゆっくり話したりすることはかえって相手に聞きづらい事があります。
それどころか、相手によっては「高齢者だと思ってバカにされた」と思う事もあり、自尊心を傷つけてしまいかねない事さえあります。

 
年齢だけを基準にして、全員に対して対応する事は個人差を無視した対応になってしまうかもしれません。

 
若いころからの生活習慣は、その人の生活スタイルに大きな影響を与えており、心理や行動の理解には、相手の生活歴や経験を知る事が大きなヒントになってきます。

 

 

 

 

高齢期になると社会から受ける心理的影響が大きくなる

高齢期になると社会から受ける心理的影響が大きくなる
人は社会的な生き物であり、職業経験、家族関係、社会的役割などが、その人の心理や行動に強い影響を与えています。
老年期には、子供との関係が変化したり、孫が誕生したりといった家族関係の変化や、定年を迎えて退職する等の経験をする事が多くなります。

 
また、妻や夫を亡くしたり、友人との死別といった喪失体験をする人も多くなります。

 
このような社会的な関係や役割の大きな変化は、心理や行動にも大きな影響を与えると言えます。

 
現代は、生き方が多様化しており、こうした経験自体に個人差があるので、一人ひとりに対するより深い理解が必要となってきます。

 

 

 

 

経験の違いによる心への影響

経験の違いによる心への影響
人のさまざまな心の動きや行動は、「生得的な要素」と「学習的な要素」の両面に影響されていると言われています。

 
高齢者は誰にでも生じる生物的な変化によって同じような心理や行動の傾向を持つと思われがちです。(この事が生得的な要素です)
しかし、生物的な老化の程度は実際の年齢と必ずしも一致しているわけではなく、個人差が大きいことが特徴です。

 
また、人生を長く生きているという事は、それだけ経験の期間が長く、その影響が大きいことで個人差が大きいと言えます。(この事が学習的な要素です)

 
人間関係や職業、生活習慣などによる生活経験の個人差は心理や行動に影響を与えます。

 
また、例えば若いころからの運動習慣が年をとってからの運動機能の維持に関係があるように、生物学的老化に影響を与える場合がある事も十分に念頭に入れておく必要があります。

 
このように、老化による心理や行動には、さまざまな要因が影響を与えていると考える事が出来ます。

 

 

 

 

まとめ

指
この記事のまとめです。

  • 老化は時間経過による加齢に伴った生理機能の低下としてとらえられている事が多いです、しかし、高齢者を取り巻く様々な社会的な側面の変化も、高齢者の生活に大きな影響を与えています。
  • 「高齢者とは」という一律的な考え方は、一人ひとりの高齢者の心を理解する妨げになる場合があります。
  • 老化による心身機能の変化は誰にでも生じる事です。しかし、変化の程度は同じ年齢であっても個人差が大きいことが特徴として挙げられます。
  • 人は社会的な生き物であり、職業経験、家族関係、社会的役割などが、その人の心理や行動に強い影響を与えています。
  • 現代は、生き方が多様化しており、こうした経験自体に個人差があるので、一人ひとりに対するより深い理解が必要となってきます。
  • 生物的な老化の程度は実際の年齢と必ずしも一致しているわけではなく、個人差が大きいことが特徴です。
  • 人生を長く生きているという事は、それだけ経験の期間が長く、その影響が大きいことで個人差が大きいと言えます。
  • このように、老化による心理や行動には、さまざまな要因が影響を与えていると考える事が出来ます。

老いは誰にでも等しく訪れます。身体的な機能によく目が行きがちですが、それと同じくらいに老化が与える心の影響について理解しケアしておく必要があるのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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