介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

個人情報・秘密保護に関する制度 介護士が知っておく事

      2015/11/07


最近では個人情報保護や秘密情報の保護に対しての意識が世間的に高まっています。
意識が高まった要因として、個人情報が漏れる事で犯罪に巻き込まれる可能性がある事が挙げられるのではないでしょうか。

 
介護士や介護福祉士、社会福祉士は職務上、利用者の方の個人情報を知り得る機会が多くあり、その情報に対しての取り扱いは注意すべき事の一つです。
また、個人情報の保護については法律の中でもその取扱いに注意すべき事との記述もあります。

 
この記事では個人情報保護に関する制度について紹介しています。

 

 
のぞく
 

 

個人情報保護法とは

憲法
個人情報について語る上で個人情報保護法を避けて通る事はできません。

 
個人情報の保護に関する制度として2003(平成15)年に成立・公布され、2005(平成17)年に全面施行された法律です。
この法律では、高度情報通信社会が進んできた中で、個人情報を利用する場面や機会が大幅に拡大している状況を踏まえ、個人情報が適正に利用されるよう、個人情報の保護に関する施策の基本となる事項が定められています。

 
そして、国と地方公共団体の責任や義務についても取り決め、個人情報をあつかう事業者が守らなければならない義務などが定められています。

 
個人情報保護法では、個人情報を本来の目的以外に利用する場合や、個人データを第三者に提供する場合には、原則として本人の同意を得る事を求めています。

 
また、家族などに対して本人の病状を説明するような場合であっても本人の同意を得る事が原則です。
相手の尊厳を保持する上でもとても重要となる法律です。

 

 

個人情報保護法の実施するにあたって、厚生労働省は2004(平成16)年に医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのガイドラインを定めました。

 
そこには、医療、介護関係事業者が作成・保存しなければならない記録例が示されています。

 
また、医療・介護関係事業者の通常の業務で想定される個人情報の利用目的も示されています。
 

 

 

 

個人情報と社会福祉士および介護福祉士法について

人権侵害・背景
 
個人情報保護は介護士や介護福祉士、社会福祉士は専門職として守らなければならない義務の一つです。
社会福祉士および介護福祉士法は、介護所の国家資格である介護福祉士の義務として、次のような義務を課せられています。

 

  • 誠実義務
  • 信用失墜行為の禁止
  • 秘密保持義務

 

 

 

誠実義務について

誠実の象徴
 
「社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する物が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことが出来るよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない」

 
個人情報の保護という観点よりも、介護福祉士や社会福祉士としての全体行動に対する規定です。
精神面での規定としても受け取る事が出来ます。

 
相手の立場に立ってみて、個人情報がずさんに扱われていればどのように感じるかを誠実に考えれば自ずとそのような行動もとらないでしょう。

 

 

 

信用失墜行為の禁止について

悩み (2)
 
「社会福祉士および介護福祉士は、社会福祉士又は介護福祉士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」

 
これは社会福祉士や介護福祉士は、社会的にお互いに信用を失墜させるような事を禁止する規定です。
個人情報の漏えいをしてしまった企業が、社会的に大きな波を立てている事はメディアの報道などでは一目瞭然の事と思います。

 
個人情報の取扱いを始め、さまざまな行動で信用を失墜するような行為をしないようにしましょう。

 

 

 

秘密保持義務について

目隠し
 
「社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知りえた人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でなくなった後においても、同様とする」

 
これは個人情報を始めとして、利用者やその周りの人等、秘密については他言してはならない事にもつながります。
「正当な理由」に該当する場合としては刑事事件で警察に調査協力依頼が出された場合などが当てはまります。

 
日常生活の上で「正当な理由」に該当する事はありませんので、「つい」や「うっかり」で秘密を漏らす事がないよう、行動や言動には気を付けるようにしましょう。

 

 

 

 

個人情報の保護は事業の連帯責任となる

チーム
 
秘密保持や個人情報保護は、一人の職員が守ればよいというものではありません。
サービスを提供している事業所である組織も必ず守らなければならないものです。

 
介護サービス事業所に関する「守秘義務」については法律や省令に規定されています。

 
一例として訪問介護を行う事業所が守らなければならない事項として次のような規定があります。

 
「指定訪問介護事業所の従業員は、正当な理由がなく、その業務上知りえた利用者またはその家族の秘密を漏らしてはならない。」
「指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業者の従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知りえた利用者またはその家族の秘密を漏らす事がないよう、必要な措置を講じなければならない」
「指定訪問介護事業者は、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない」

 

 
このような規定により、個人情報や秘密保護は事業所一体となって行うべき義務として決められているのです。

 

 

 

 

まとめ

指
この記事のまとめです。

  • 個人情報保護法は個人情報の保護に関する制度として2003(平成15)年に成立・公布され、2005(平成17)年に全面施行された法律です。
  • この法律では、高度情報通信社会が進んできた中で、個人情報を利用する場面や機会が大幅に拡大している状況を踏まえ、個人情報が適正に利用されるよう、個人情報の保護に関する施策の基本となる事項が定められています。
  • 国と地方公共団体の責任や義務についても取り決め、個人情報をあつかう事業者が守らなければならない義務などが定められています。
  • 個人情報保護は介護士や介護福祉士、社会福祉士は専門職として守らなければならない義務の一つです。
  • 社会福祉士および介護福祉士法は、介護所の国家資格である介護福祉士の義務として、次のような義務を課せられています。
    1. 誠実義務
    2. 信用失墜行為の禁止
    3. 秘密保持義務
  • 秘密保持や個人情報保護は、一人の職員が守ればよいというものではありません。サービスを提供している事業所である組織も必ず守らなければならないものです。

 
介護の仕事はその人のプライベートに非常に近しい位置で仕事をします。そのため個人情報に触れる機会も多いでしょう。
この事から、個人を尊重する意味合いでもサービスを利用する人を特定するような個人情報の取り扱いには特に注意をしていきましょう。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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