介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

日常生活自立支援事業とは 介護に関わる制度

      2015/11/07


介護の仕事をする上で「日常生活自立支援事業」について知っておくことは重要です。
介護を利用する方の中には認知症の高齢者や知的障害者の方もおり、障害の内容によっては日常の生活の中で判断が必要な場合に、適切な判断を行う事が出来ない人もいらっしゃいます。

 
そういった方を支えるサービスを提供するのが日常生活自立支援事業です。

 
この記事では日常生活自立支援事業とはどのような事業かということや援助内容について書いています。

 

 
高齢者
 

 

日常生活自立支援事業とは

ひらめき
 
日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な人が地域において自立した生活を送る事が出来るように、利用者との契約にもとづいて福祉サービスの利用援助などを行う事業です。

 
事業の実施の主体は次の協議会です。

  • 都道府県社会福祉協議会
  • 指定都市社会福祉協議会

 
事業の一部を市区町村社会福祉協議会などに委託して実施しています。

 
市区町村社会福祉協議会などは、利用者と関わり次の一連の業務を行っています。

  1. 相談の受け付けや打ち合わせ
  2. 契約書や支援計画の作成
  3. 契約
  4. サービスの提供
  5. 再評価

 

 

 

 

事業の対象者と援助内容について

家庭
 
日常生活自立支援事業の対象者となる人は、次の二つの条件にあてはまる人です。

  • 判断能力が不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などであって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用する為の情報の入手や理解、意思表示を本人のみでは適切に行う事が困難な人)
  • 本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる人

 
また、日常生活自立支援事業の対象者に対する援助内容は次の通りとなっています。

  • 福祉サービスの利用に関する援助
  • 福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助
  • 住宅改造居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民票の届け出の行政手続きに関する援助その他福祉サービスの適切な利用の為に必要な一連の援助

 

 

 

福祉サービスの利用に関する援助

日常生活自立支援事業の援助を利用する人は自分では適切な判断を行う事が困難な人という特性を持っているため、福祉サービスの利用に関する援助としては次のような援助を行います。

 

  • 福祉サービスを利用、または利用をやめるために必要な手続き
  • 福祉サービスの利用料の支払い手続き など

 
なお、日常生活自立支援事業の契約については内容を判断しているという前提のもと、利用については利用者の判断が第一優先となっています。

 

 

 

福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助

 
福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助としては次のような援助を日常生活自立支援事業が行います。

  • 福祉サービスについての苦情解決制度を利用する手続きなど

 
この制度についても利用者の自由意思が第一に尊重される事とし、苦情を行うかどうかの判断は利用者本人が判断を行う事が前提となります。

 

 

 

住宅改造居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民票の届け出の行政手続きに関する援助その他福祉サービスの適切な利用の為に必要な一連の援助

 
住宅改造居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民票の届け出の行政手続きに関する援助その他福祉サービスの適切な利用の為に必要な一連の援助として、日常生活自立支援事業が行う援助は次のような物が代表的です。

 

  • 集金及び福祉手当の受領に必要な手続き
  • 税金、社会保険料、公共料金、医療費、家賃などの支払い手続き
  • 日常生活に必要な預金の払い戻し、預け入れなどの手続き
  • 年金証書、預貯金の通帳、権利証などの書類を金融機関の貸金庫で預かる など

 

 

 

日常生活自立支援事業が行う具体的な援助内容

集まり
 
先ほど申し上げた日常生活自立支援事業が行う三つの援助内容に伴って行う具体的な援助内容としては次のようなものを基準にしています。

  1. 日常的な金銭管理
  2. 定期的な訪問による生活変化の察知

 
なお、日常生活自立支援事業のサービスが適切に運営されているかを監視し、利用者からの苦情を受け付ける窓口として、運営適正化委員会が第三者的機関として設置されています。

 
相談は本人からだけではなく、家族、民生委員、行政職員、福祉サービス事業者などからも受け付けています。

介護の仕事をする中で利用者の方が次のような問題を抱えていたり、相談を受けたりした場合は、本人が住んでいる市区町村の社会福祉協議会に相談してみましょう。

  • 預けていたお金が知らないうちに勝手に使われてしまう
  • 認知症高齢者や知的障害者などをねらい、訪問販売で高額な商品を売る
  • 認知症の為、福祉サービスの利用手続きや金銭管理を自分一人で出来ない
  • 家族や親族から財産侵害を受けている(本人に無断で年金振込用通帳や定期預金証書、届員を持ち出す など)
  • 障害年金を家族が使ってしまう
  • 友人から生活費を横取りされている
  • 認知症高齢者で、物忘れや物とられ妄想があり、金銭管理が出来ず金銭トラブルが絶えない
  • 読み書きが十分にできないため、行政窓口での手続き、社会福祉サービスの利用、年金受給の申請などが出来ない など

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

  • 日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な人が地域において自立した生活を送る事が出来るように、利用者との契約にもとづいて福祉サービスの利用援助などを行う事業です。
  • 日常生活自立支援事業の対象者となる人は、次の二つの条件にあてはまる人です。
    1. 判断能力が不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などであって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用する為の情報の入手や理解、意思表示を本人のみでは適切に行う事が困難な人)
    2. 本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる人
  • 日常生活自立支援事業が行う三つの援助内容に伴って行う具体的な援助内容としては次のようなものを基準にしています。
    1. 日常的な金銭管理
    2. 定期的な訪問による生活変化の察知
  • 相談は本人からだけではなく、家族、民生委員、行政職員、福祉サービス事業者などからも受け付けています。
  • 介護の仕事をする中で利用者の方が次のような問題を抱えていたり、相談を受けたりした場合は、本人が住んでいる市区町村の社会福祉協議会に相談してみましょう。
    1. 預けていたお金が知らないうちに勝手に使われてしまう
    2. 認知症高齢者や知的障害者などをねらい、訪問販売で高額な商品を売る
    3. 認知症の為、福祉サービスの利用手続きや金銭管理を自分一人で出来ない
    4. 家族や親族から財産侵害を受けている(本人に無断で年金振込用通帳や定期預金証書、届員を持ち出す など)
    5. 障害年金を家族が使ってしまう
    6. 友人から生活費を横取りされている
    7. 認知症高齢者で、物忘れや物とられ妄想があり、金銭管理が出来ず金銭トラブルが絶えない
    8. 読み書きが十分にできないため、行政窓口での手続き、社会福祉サービスの利用、年金受給の申請などが出来ない など

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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