介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

【障害者自立支援制度】組織・団体の機能と役割

      2015/11/07


障害自立支援制度は障害を持った人を対象に生活的・社会的・身体的・精神的な面で支援を行っていく事を目的とした側面を持った制度です。

 
障害者総合支援法には様々なサービスが存在していて、「障害者総合支援法のサービスと内容」の記事でサービスについて紹介しています。

 
この記事では障害者自立支援制度における国や都道府県、市町村や各事業所の役割について書いています。

 

 
日本2
 

 

障害者自立支援制度の国の役割

白い日本
 

国や地方公共団体は、障害者基本法の規定に基づいて、施策に対しての意見具申や韓国を行う事の出来る「障害者政策委員会」を設置し次の項目を総合的に網羅した「障害者基本計画」等の策定にあたって、その意見を聞きながら施策を講じていくこととなります。

  • 啓発・広報
  • 生活支援
  • 生活環境
  • 教育・育成・雇用・就業
  • 保険・医療
  • 情報・コミュニケーション
  • 国際協力

 

福祉サービス分野の具体化の一環として、障害者総合支援法においては、障害福祉計画の策定を義務付けています。

 

また、障害者総合支援法の実施では、国は、市町村や都道府県に対する必要なアドバイス、情報の提供、その他の援助を行う事が役割とされています。

 

 

 

 

障害者支援制度の都道府県の役割

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都道府県は、国の制度策定を受けて、具体的な実施機関である市町村への対応を行います。
都道府県は、障害者基本法にも基づいて都道府県障害者計画を作成し、審議会その他の合議制の機関の設置と運営を担います。

 

また、障害者総合支援法により都道府県障害福祉計画を作成し、市町村の事業実施状況を把握し、市町村への制度実施上の情報提供や助言を行います。

 

都道府県障害福祉計画に基づいて、福祉サービス事業者などの指定を行うほか、広域でより専門性が高いために市町村では対応しにくい事業などを実施します。

 

より専門的な事業として、障害児関連の相談支援などは、市町村では対応しにくいものとして専門機関が設置されています。
その一つに発達障害者支援センターがあります。

 

発達障害の為に特別な支援を要する児童生徒は、文部科学省調査によると、普通学級でも6%異常の出現率である事が明らかになっています。

 

2004(平成16)年12月に発達障害者支援法が成立し、早期の発達支援・保育・教育・就労支援・地域生活支援などを国や地方公共団体が行う事が求められています。

 

また、医療機関については、自立支援医療制度に基づく整備がなされています。
障害児・者の医療の特徴は、生まれて死ぬまで、一生切り離せない(長期的医療)、高度な手術や治療を必要とする(専門的医療)、また、いくつもの診療科をまたいで利用せざるを得ない(複層的医療)ところにあります。

 

こうしたことから、医療費については障害者福祉医療制度等の独自の医療費補助を行っている都道府県もあります。

 

 

 

 

市町村の役割

市町村
 

 

 

市町村は住民に一番身近な行政機関

市町村はもっとも住民に身近な行政機関です。
市町村は障害者基本法に基づいて、市町村障害者計画を、障害者総合支援法により、市町村障害福祉計画を策定し、それに基づき障害者福祉サービスを実施します。

 
障害者総合支援法においては、市町村が基本的な制度運用の責任を持ち、身体・知的・精神の3障害を含め、基本的な障害福祉サービスの実施主体となっています。

 
したがってサービス利用の申請は、市町村が窓口になります。

 

 
また、市町村は、地域生活支援事業の必須事業を中心に、各事業の実施を担います。
なお、利用料負担や事業報酬などは、各市町村の要綱などに基づいて決定されるので、自治体によって違いがあります。

 
相談支援事業を行う事業者のうち、特定相談支援事業者の指定および事業監査指導なども移管され、地域で実態に合わせた事業を進めていく事になっています。

 

 

 

市町村が持つ機関とは

 
障害者総合支援法に関連のある、市町村で福祉制度の窓口となる器官としては福祉事務所や保健福祉センターなどがあります。
また、地域において住民のネットワークを構築し、住民参加で地域の福祉力を高めていくために、「社会福祉協議会」や「自立支援協議会」が機能するよう求められています。

 
自立支援協議会は障害者総合支援法に基づいて、障害のある人が自立した日常生活や背社会生活を営むことが出来るよう、次のような事業が参加しています。

  • 相談支援事業者
  • 障害福祉サービス事業者
  • 保険・医療関係者
  • 教育・雇用関係機関
  • 企業
  • 障害者関係団体
  • 学議経験者など

 
これらの事業は定期的な協議を行い、相談支援事業を始めとする地域の障害福祉にかかるシステムづくりに関し、中核的な役割を果たすことを目的として設置される物です。

 
そのため、この協議会の運営の活性化のための方策や、相談支援の充実といった制度改正を踏まえて、その担うべき役割が強化される事となっています。

 
また、2012(平成24)年4月から、市町村は基幹相談支援センターを設置して、より専門的な相談支援が行えるようになっています。

 

 
障害者総合支援法では、多くの場合、市町村を通じて、各種の相談や手続きを行う事になります。
したがって、どこの機関でどのような相談や手続きを行うのかをよく理解しておく必要があります。

 

 

 

 

指定事業者の役割

事業
 
障害者総合支援法に基づいて「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業などの人員、設備及び運営に関する基準」等がはっきりとかかされいて、事業ごとの設備や人員配置、運営の基準を満たした運営を行う事が義務付けられています。

 

 

 

障害者総合支援法による事業者の指定と規定について

 
こうした基準に適合する事業者については次の事業者として、都道府県・市町村が指定を行います。

  • 指定障害福祉サービス事業者
  • 指定障害者支援施設などの設置者および指定一般相談支援事業者・指定特定相談支援事業者

 
なお、2011(平成23)年の「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(地域主権一括法)に基づいて、事業など基準については、すべて都道府県などの条例に委任したうえで地域の実情に合わせた指定も行えるようになりました。

 
都道府県に委任されず、指定事業者が規定できないものとしては次の通りとなっています。

  • 人員配置基準
  • 居室面積基準
  • 人権に直結する運営基準

 

 

 

事業所と利用契約の締結について

 
指定された事業者は、基本的には、支給決定時に提出された、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画に基づき、事前のサービス調整会議(モニタリング含む)等を開催し、その支援内容の確認をしながら、利用者との利用契約の締結を行い、サービスを実施する事となります。

 
この際、利用契約の締結に当たっては次の書類の提示や、十分な説明が義務付けられています。

  • 重要事項説明書
  • サービス利用所
  • 利用契約書の提示

 
特に障害者総合支援法への改正で、意思疎通困難者への配慮や、自分で判断する事が困難な人との契約については成年後見制度や日常生活自立支援事業などの積極的に利用する事が大切となります。

 

 

 

事業所の責任について

 
支援費制度以降、利用者の権利擁護と自己決定の尊重が強調され、指定事業者については、三つの仕組みと五つの義務が課せられています。
事業者に課せられている三つの仕組みについては次の通りです。

  • 情報公開
  • 苦情解決
  • 第三者評価

 
次に、事業者に課せられている五つの義務は次の通りです。

  • 説明責任
  • 守秘義務
  • 安全配慮義務
  • 身体拘束禁止
  • 記録管理

 
また、障害者総合支援法では、「障害者等の意思決定の支援に配慮するとともに、常に障害者などの立場に立って支援を行うように努めなければならないものとする事」との規定が組み入れられました。

 
個別の支援計画の策定やヒヤリハット記録などの整備の意義をよく理解し、よりスムーズで、個人の尊厳を尊重した支援が行えるよう配慮していくことが大切です。

 

 

 

 

その他の機関の役割

木造の校舎
 
障害者自立支援制度で役割を持っている機関としては次の機関があげられます。

  • 国民健康保険団体連合会
  • 相談支援機関
  • 運営適正化委員会
  • 市町村障害者虐待防止センター

 
それぞれの機関について役割を見ていきます。

 

 

 

国民健康保険団体連合会の役割

 
報酬などの費用については、事業ごとの報酬単価に基づいて定められた報酬が支払われる事になります。

 
障害福祉サービス費について市町村はサービス事業者からの請求に基づいて、審査のうえ支払う事とされていますが、国民健康保険団体連合会に審査支払義務が委託され、サービス事業者からの請求受付から支払いまで、一連の事務の効率化と平準化を図る物として電子請求などのシステム導入がされています。

 

 

 

相談支援機関の役割

 
福祉サービスの利用や就労・生活への支援などについて、より身近な地域で相談などが受けられるように、障害者相談支援事業によって障害者生活支援センターや就労と生活支援を専門とした「障害者就業・生活支援センター」などが置かれています。

 
相談支援は、一般相談支援事業と特定相談支援事業、障害児相談支援事業などがあり、一般相談のほか、サービス等利用計画の策定、地域以降・定着支援などが相談支援機関の役割として位置づけられました。

 
更に、地域における相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センターのほか、発達障害のある人のための発達要会社支援センターなども設置され始めています。

 
また、特別に支援が困難な場合や、他の機関との連携で対応する事が必要な場合には、自立支援協議会でいくつかの機関が集まって相談する仕組みなどの工夫されています。

 

 

 

運営適正化委員会の役割

 
各サービス事業者内に設置される苦情解決の仕組みでは、解決が十分にできない場合に、都道府県の単位で運営適正化委員会が設置されています。
事業所との関係だけで解決しない問題などは直接こうした機関に申し立てを行い、調整を行ってもらう事もできます。

 
同時に、事業者の指定の権限を持つ機関は、あまりに不適切や運営がある場合、特別監査などを実施し、場合によっては事業取り消しを行う事もあります。

 

 

 

市町村障害者虐待防止センターの役割

 
「障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援などに関する法律」(障害者虐待防止法)によって、障害者への虐待の防止や支援に関して、市町村虐待防止センターの設置が義務付けられました。

 
擁護者・施設従事者・使用者による虐待などが発生した場合、ここに通報を行い、障害者の保護や擁護者への支援を専門的に行うとともに虐待の防止の啓発を行います。

 

 

 

 
このように障害者自立支援制度では各組織と機関が役割を持つことによって障害者の支援を実現しています。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

 

  • 国は障害者総合支援法の実施で、市町村や都道府県に対する必要なアドバイス、情報の提供、その他の援助を行う事が役割とされています。
  • 都道府県は障害者総合支援法により都道府県障害福祉計画を作成し、市町村の事業実施状況を把握し、市町村への制度実施上の情報提供や助言を行います。
  • 市町村は障害者基本法に基づいて、市町村障害者計画を、障害者総合支援法により、市町村障害福祉計画を策定し、それに基づき障害者福祉サービスを実施します。
  • 障害者総合支援法に基づいて「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業などの人員、設備及び運営に関する基準」等がはっきりとかかされいて、事業ごとの設備や人員配置、運営の基準を満たした運営を行う事が義務付けられています。
  • 障害者自立支援制度で役割を持っている機関としては次の機関があげられます。
    1. 国民健康保険団体連合会
    2. 相談支援機関
    3. 運営適正化委員会
    4. 市町村障害者虐待防止センター

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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