社会手当とは 社会手当の概要と種類
2015/11/07
社会保障は私たちの生活で不測の事態が起きたとしても安心して生活が送れる事を保障した仕組みです。
社会保障の中には社会手当があり、様々なライフコースによってその時その時に応じた社会的な支援を受ける事が出来ます。
特に社会保障の中では私たちの生活に密接に関わっている社会保障の一つと言えます。
この記事では「社会手当」の概要と、種類について書いています。
社会手当とは 社会手当の概要
日本における社会手当は次の手当から構成された社会保障の仕組みの一つで、時と場合に応じて生活が支える働きがあります。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 特別児童扶養手当
- 特別障害者手当
- 障害児福祉手当
- 福祉手当
上記の内、福祉手当は1986(昭和61)年に特別児童扶養手当などの支給に関する法律を改正した際に、「経過措置」とされた物です。
経過措置とは法律の改正などで不利益をこうむってしまう人を対象に不利益を緩和するような措置の事を言います。
各手当については相談窓口や届け出方法などが各地方自治体によって異なる場合があります。
自分が済んでいる地域の自治体のホームページを参考にすると、手続きや支給要件がわかり易く整理されていますが、まずは事前に担当窓口で相談する事が一番安全で効率的です。
社会手当の種類と、それぞれの概要
社会手当は先ほども紹介した「児童手当」「児童扶養手当」「特別児童扶養手当」「特別障害者手当」「障害児福祉手当」「福祉手当」の6種類の手当によって構成されています。
それぞれの手当について概要に触れていきます。
児童手当とは
児童手当は、中学生までの子供を育てている親などに対して、家庭の生活の安定と次世代の社会を担う児童の健やかな成長に役立てる事を目的として支給される手当です。
2010(平成22)年4月から2012(平成24)年3月までは児童手当に代わって、子ども手当が支給されていましたが、2012(平成24)年4月より以前の名称である児童手当に戻りました。
児童手当の認定請求の手続きとして、市区町村役場の担当窓口に認定請求書を提出します。
手当の支給は1年の内、次の月の3回支給されます。
- 2月
- 6月
- 10月
児童手当の支給には一定の所得制限があるため、請求時によくご確認ください。
児童扶養手当とは
児童扶養手当は、離婚や死別などによる、ひとり親世帯の生活の安定と自立の促進、児童の心身の健やかな成長に寄与する事を目的に支給される手当です。
支給の対象となる児童とは18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある物(一定の障害がある場合には20歳未満)です。
また、2010(平成22)年からは、母子家庭だけでなく、父子家庭へも適用が拡大されています。
児童扶養手当の手続きは児童扶養手当認定請求書に次の物を添付して市区町村役場へ届け出る事になっています。
- 受給資格者および該当する子どもの戸籍抄本
- 住民票等の証明書
手当の支給は1年の内次の月の3回です。
- 4月
- 8月
- 12月
児童扶養手当には、扶養親族等の人数によって定められた所得制限があるため、請求時は要件について良くご確認ください。
特別児童扶養手当とは
特別児童扶養手当とは、20歳未満の障害児がいる家庭の父母や、その他の養育者に対して、所得保障として支給する事を通して、これらの人たちの福祉の増進を図る事を目的としています。
手続きは住所地の市区両村役場へ届け出ます。
ただし、次のような場合は、特別児童扶養手当が支給されませんので要件に該当するかよくご確認ください。
- 障害児が日本国内に住所がない時や、その生涯について社会保険などから年金を受けられるとき
- 父母または養育者が日本国内に住所がないとき
- 父母または養育者およびその配偶者または扶養義務者の所得が一定以上の時
特別児童扶養手当の支給については1年の内、次の月の4回で前月までの3ヵ月分がまとめて支給される仕組みとなっています。
- 2月
- 5月
- 8月
- 11月
障害児福祉手当とは
障害児福祉手当は、常に介護を必要とするような在宅で生活をしている20歳未満の重度障害人に対して、特別児童扶養手当の他に経済的支援を行い、家庭における精神的、経済的負担を支える事を目的とした手当です。
手続きは住所地の市区町村役場、あるいは福祉事務所へ届け出ます。
障害児福祉手当には支給制限があり、次のいずれかの要件に該当する場合は支給されませんので良くご確認ください。
- 障害について社会保険などから年金を受け取れるとき
- 本人、配偶者、または扶養義務者の前年所得が一定以上のとき
- 施設に入所している時
手当の支給は1年の内、次の月の4回となっています。
- 2月
- 5月
- 8月
- 11月
まとめ
この記事のまとめです。
- 日本における社会手当は次の手当から構成された社会保障の仕組みの一つで、時と場合に応じて生活が支える働きがあります。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 特別児童扶養手当
- 特別障害者手当
- 障害児福祉手当
- 福祉手当
- 児童手当は、中学生までの子供を育てている親などに対して、家庭の生活の安定と次世代の社会を担う児童の健やかな成長に役立てる事を目的として支給される手当です。
- 児童扶養手当は、離婚や死別などによる、ひとり親世帯の生活の安定と自立の促進、児童の心身の健やかな成長に寄与する事を目的に支給される手当です。
- 特別児童扶養手当とは、20歳未満の障害児がいる家庭の父母や、その他の養育者に対して、所得保障として支給する事を通して、これらの人たちの福祉の増進を図る事を目的としています。
- 障害児福祉手当は、常に介護を必要とするような在宅で生活をしている20歳未満の重度障害人に対して、特別児童扶養手当の他に経済的支援を行い、家庭における精神的、経済的負担を支える事を目的とした手当です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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