介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

生活保護(公的扶助)の原理と原則 生活保護について知る

      2017/04/13


社会保障は私たちの生活で不測の事態が起きたとしても安心して生活が送れる事を保障した仕組みです。
社会保障の中には生活保護(公的扶助)制度があり、所得が低いことで生活する事が困難な状態にある生活困窮者に対して支援を行っています。

 

この記事では「生活保護(公的扶助)」の原理・原則について書いています。

 

 
守るべき物
 

 

生活保護制度とは

指
 
生活保護制度とは、生活を維持する事が出来ない生活困窮者(低所得者・貧困者)に対して支援を行う制度を言います。
生活保護制度が日本の公的扶助の役割を担っています。

 
生活保護の考えは日本国憲法第25条で謳われている生存権が元となり、具体的な支援が行われています。

 

 

 

 

生活保護の原理

身体拘束禁止
 
生活保護の原理を次の項目立てで一つ一つ見ていきます。

  • 国家責任の原理
  • 無別平等の原理
  • 最低生活保障の原理
  • 補足性の原理

 

 

 

国家責任の原理

 
国家責任の原理とは「憲法第25条」の理念に基づいて、国家が責任を持って、国民に対して健康で文化的な最低限度の生活水準を保障するという考え方です。

 

 

 

無差別平等の原理

 
無差別平等の原理とは、すべての国民は生活保護法の定める要件を満たしていれば、差別される事無く平等に保護を受ける事が出来るという考え方です。
これは普遍主義に基づく保護の事を表していて、年齢、性別、労働能力の有無などによって対象者を選ぶ選別主義を排除する働きのある考え方です。

 

 

 

最低生活保障の原理

 
最低生活保障の原理とは「憲法第25条」にもうたわれている「健康で文化的な最低限度の生活水準」を保障するナショナル・ミニマムという考え方です。
ナショナル・ミニマムとは社会的に容認された国民の最低限度の生活水準を国家の責任において保障する事です。
「国家責任の原理」と共通した考え方ですね。

 
ただしこれは「国民のなかの最低の生活を保障する」ような日本で一番低い水準に生活を合わせて保障するといった内容ではなく「社会の構成たるに値する健康で文化的な生活水準」を設定し、その水準に基づいて保護を行うという考え方です。

 
社会的セーフティネットと言われている社会保障の中で最もセーフティネットに近い考え方だと言えます。

 

 

 

補足性の原理

 
補足性の原理とは、生活困窮者が持っている資産や能力を最大限活用し、それでも不足する場合に、その不足分を補う形で保護を行うという考え方です。
したがって、年金などによって一定の収入があったとしても、ナショナル・ミニマムを下回る場合は、ナショナル・ミニマムとの差を補う形で各扶助が支給されます。

 

 

 

 

生活保護の原則

刀
生活保護の原則を次の項目立てで一つ一つ見ていきます。

  • 申請保護の原則
  • 基準および程度の原則
  • 必要即応の原則
  • 世帯単位の原則

 

 

 

申請保護の原則

 
申請保護の原則とは、生活保護の会社、生活困窮者本人もしくはその扶養義務者や同居の親族による福祉事務所への申請が必要であるという申請主義の考え方です。
非常に緊急性が高い場合については先ほど述べて扶養義務者等の枠を超えて申請が通る事もあります。

 

 

 

基準および程度の原則

 
基準および程度の原則とは、厚生労働大臣が基準を定め、その基準を満たさない部分を補う程度に保護を行うという考え方です。

 
この厚生労働大臣が定める基準は、保護を必要としている人の年齢や性別、世帯構成、住んでいる地域ごとに細かく基準が設けられています。
これは地域によっては必要な保護の内容が変わってくることから必要な基準と言えます。

 
また、最低限度の生活を満たすには十分な程度であり、これを超えるような過度の保護は実施しないという事になっています。

 

 

 

必要即応の原則

 
必要即応の原則とは、保護は、要保護者の年齢、性別、健康状態など、その個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に保護を行うという考え方です。

 
しかし1969年に行われた「藤木訴訟」と呼ばれる訴訟の結果、「場合によっては世帯ではなく個人を保護する」という事も可能になりました。

 

 

 

世帯単位の原則

 
世帯単位の原則とは保護の必要性を判断したり、保護を実施する程度を考える際には世帯単位で考えるという事です。
ただし、場合によっては世帯を分離し、個人単位で判断、実施する事も可能になっています。

 
これは先に述べた「藤木訴訟」に関わる内容です。

 

 

 
生活保護は今までに述べた原理・原則をもとに運営されています。

 

 

 

 

まとめ

指
この記事のまとめです。

  • 生活保護制度とは、生活を維持する事が出来ない生活困窮者(低所得者・貧困者)に対して支援を行う制度を言います。
  • 生活保護の原理は次の通りです。
    1. 国家責任の原理
    2. 無別平等の原理
    3. 最低生活保障の原理
    4. 補足性の原理
  • 生活保護の原則を次の項目立てで一つ一つ見ていきます。
    1. 申請保護の原則
    2. 基準および程度の原則
    3. 必要即応の原則
    4. 世帯単位の原則

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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Comment

  1. 佐々木祐 より:

    生活保護費が少なくて非常に困ってます、上げてください!

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