介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

労働者災害補償保険の給付と事業について

      2015/11/07


社会保障は私たちの生活で不測の事態が起きたとしても安心して生活が送れる事を保障した仕組みです。
社会保障の中には労働者災害補償保険制度があり、労働者が仕事上の問題で負傷、疾病、障害、死亡した場合の補償について社会的な働きをしています。

 

労働者災害補償保険(労災保険)については「労働者災害補償保険とは 労働者を守る保険」の記事でも紹介させて頂いてます。

 
この記事では「労働者災害補償保険」の給付と事業について書いています。

 

 
植物に水を上げる女性
 

 

労働者災害補償保険の給付と事業について

考える
労働者災害補償保険の給付は大きく次の二つの給付に分ける事が出来ます。

  • 業務災害や通勤災害における傷病などを対象とする給付
  • 定期健康診断などによって体に異常が見つかった場合の給付

 

 

 

業務災害や通勤災害における傷病などを対象とする給付

業務災害や通勤災害における傷病などを対象とする給付には次のような給付があります。

  • 療養(補償)給付
  • 休業(補償)給付
  • 傷病(補償)給付
  • 障害(補償)給付
  • 介護(補償)給付
  • 遺族(補償)給付
  • 葬祭料

 

療養の給付については、「療養の給付」と「療養の費用」を保障していて。
労災病院や労災指定医療機関などで療養を受けることや、その費用について負担を保障します。

 
療養給付を受け、再び労働できる状態になった場合であり、体に障害を得た場合の為に障害(補償)給付があります。
労働によって受けた傷病によって体に障害を得た場合について一定の要件に基づいて給付される事です。
障害(補償)給付には「一時金」と「年金」があり次のような条件の場合に給付を受けることしています。

 

 

障害(補償)給付の一時金を受ける要件

傷病が治癒(症状固定)して、障害等級第8級から14級までに該当する身体障害が残った場合

 

 

障害(補償)給付の年金を受ける要件

傷病が治癒(症状固定)して、障害等級第1級から7級までに該当する身体障害が残った場合

 

 
また、休業(補償)給付については傷病の療養の為、労働する事が出来ず、賃金を受けられない時に受ける事の出来る給付です。
傷病(補償)給付については療養開始後1年6ヵ月たっても傷病が治癒しないで障害の程度が傷病等級に該当する場合に受ける事が出来る給付です。

 
介護(補償)給付については障害(補償)年金、傷病(補償)年金の一定の障害により、今介護を受けている場合に受けることが出来る給付となっています。

 

 

 

労働によって死亡した場合に受ける事が出来る給付

労働場の業務災害や通勤災害によって労働者が死亡してしまった場合については「遺族(補償)給付」と「葬祭料」の給付があります。
遺族(補償)給付には「年金」と「一時金」があります。

また、労働災害補償保険で一定まで葬祭料の給付を受ける事も可能となっています。

 

 

 

 

定期健康診断などで体に異常が見つかった場合に受ける事が出来る給付

高齢者
 
定期健康診断などで体に異常が見つかった場合に受ける事が出来る給付としては「二次健康診断等給付」があります。

 
二次健康診断等給付には事業場が実施する定期券診断等の結果、脳・心臓疾患に関連する一定の項目(血圧、血糖、血中脂質、肥満)のすべてについて異常が認められるときに適用される給付です。

 
二次健康診断では過労死などの原因とされる脳・心臓疾患の予防をする目的のある保険給付で、労働者の健康確保を目指しています。

 
職場等の定期的な健康診断で血圧検査、血液検査、その他業務上の原因の脳血管疾患および心臓疾患の発生に関わる体の状態に関する検査が行われた際に、いずれの項目も異常が見つかったと診断された場合に、労働者本人の請求により受ける事が出来ます。

 
給付の内容としては「二次健康診断」と「特定保健指導」があります。

 

 

 

 

社会復帰促進等事業は社会復帰を支える事業

ガッツポーズ
労災保険で保険給付と共に行われる社会復帰促進等事業は、次の3つの事業から構成されています。

  • 社会復帰促進事業
  • 被災労働者等援護事業
  • 安全衛生確保等事業

 

 

 

社会復帰促進事業について

社会復帰促進事業は社会復帰促進等事業のうち、被災労働者の円滑な社会復帰を促進するための事業です。
社会復帰促進事業が持つ役割としては次のようなものがあります。

  • 社会復帰の促進のための支援
  • 各種施設の設置・運営

 
社会復帰の促進のための支援については義肢等補助装具費用制度によって補装具の購入・修理費を保障します。
またアフターケア制度によって治癒後の行為障害に付随する病気への対応をする役割があります。

 
各種施設の設置・運営については労災病院、医療リハビリテーションセンター、総合せき損センターなどの設置・運営を担っています。

 

 

 

被災労働者等援護事業について

 
被災労働者等援護事業は社会復帰促進等事業のうち、被災労働者とその遺族の援護を行う為に必要な事業です。
被災労働者等援護事業が持つ役割としては次のようなものがあります。

  • 被災者援護のための費用支給
  • 労災特別介護施設の運営

 
被災者援護のための費用支給としては被災労働者の子ども学資支援を行う役割を担っています。
また、労災特別介護施設の運営ではケアプラザ、訪問支援等の運営を行います。

 

 

 

安全衛生確保等事業について

安全衛生確保等事業は社会復帰促進等事業のうち、労働者の安全と衛生の確保などの為に必要な事業です。
安全衛生確保等事業が持つ役割としては次のようなものがあります。

  • メンタルヘルス対策の実施
  • アスベスト対策
  • 労働災害防止対策の実施
  • 賃金支払い確保のための事業の実施

 
メンタルヘルス対策の実施としては産業保健センター、メンタルヘルス対策支援センター、メンタルヘルス・ポータルサイト等の運営の役割があります。
アスベスト対策として、健康管理手帳の交付があります。

 

 

 

 
労働者災害補償制度はこれらの給付と事業により労働者の安全を確保する働きをしています。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

  • 労働者災害補償保険の給付は大きく次の二つの給付に分ける事が出来ます。
    1. 業務災害や通勤災害における傷病などを対象とする給付
    2. 定期健康診断などによって体に異常が見つかった場合の給付
  • 業務災害や通勤災害における傷病などを対象とする給付には次のような給付があります。
    1. 療養(補償)給付
    2. 休業(補償)給付
    3. 傷病(補償)給付
    4. 障害(補償)給付
    5. 介護(補償)給付
    6. 遺族(補償)給付
    7. 葬祭料
  • 定期健康診断などで体に異常が見つかった場合に受ける事が出来る給付としては「二次健康診断等給付」があります。
  • 労災保険で保険給付と共に行われる社会復帰促進等事業は、次の3つの事業から構成されています。
    1. 社会復帰促進事業
    2. 被災労働者等援護事業
    3. 安全衛生確保等事業

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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