介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

男性と女性の働くについて考える ワーク・ライフのバランス

      2015/11/07


女性の社会進出の一方で、家庭における家事分担に関しては、現在も妻が正社員で働いている場合でさえ、その大半を担っており、「家事と仕事」という二重の役割分担を追っている事が社会的に指摘されています。

 
近代化に伴って家庭機能が様々なサービスによって外部化されてきたとはいえ、家事や育児、介護に費やす労力の大きさを考えたとき、男女が互いにワークとライフのバランスをとっていけるように考えていくことが重要になってきます。

 
この記事では男女がお互いにライフとワークのバランスをとっていく上で必要と思われるポイントについて考察しています。

 

 
男性と女性
 

 

企業と労働者像について

ビル
 
男女がお互いにライフとワークのバランスをとっていくうえで必要なポイントの一つとして、「ワーク」に関わる部分が特に大きな比重を占めている事は生活上で感じているのではないでしょうか。

 
働く上で、多くの人は企業に所属し、その組織の中で労働者として働いているケースが多いと思います。
そうなった場合、企業組織内の「求める労働者像」について大きな転換が求められます。

 
今までの企業にも「ライフスタイルの変化について考える 介護の基本」で述べたように「男性は外で働き、女性は家庭を守る」といった考えが浸透していた経緯があり、現代でもその根は拭い去れていない実態があります。

 
現代の社会を見る上では仕事と家事・育児・介護などが両立できるような制度や、柔軟な働き方をそれぞれの労働者がライフスタイルに応じて選択できる仕組みが企業組織内になければ、男女ともに働き、共に家庭に向き合っていくことは並大抵の努力では達成する事が出来ません。

 
また、それと同時に育児や介護の社会化が現在よりも更に利用しやすく、有効な物として機能していくことも必要とされます。

 
企業内でそういった制度が制定されているにも関わらず労働者が持つ価値観により「制度を利用しない」あるいわ人間関係上から「制度を利用する事が出来ない」といった弊害が一部ではある事が現実の声として上がっています。

 
自分たちがどういった雰囲気でどういった労働者像で労働しているのか、「ワーク・ライフ」のバランスを考えている上で一度立ち返って考える事が重要なのではないでしょうか

 

 

 

 

社会的な動きと自助努力について

世界
 
これまでに述べた課題については2007(平成19)年に関係閣僚・経済界・労働界・地方公共団体の代表などからなる「官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和憲章」が策定されました。

 
憲章の中では「誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない」と述べられています。

 
仕事と生活のバランスが取れたライフスタイルは、男女ともに多くの人々が期待する物です。
日本社会における家族の変化、地域社会の変化を改めて考えたならば、いままでの社会に見られたような繋がりをまた作っていく事に力を入れていくというよりも、新しい形で社会関係を作り上げていく取組と工夫が重要となってきます。

 
その上で必要となるのは、「私ばかり」といった考えを払拭すべく「お互いの価値観の共有」が重要となってきます。
個々の価値観を持ちそれを尊重していくことが幸せな事であるといった考えが今日では一般的な考え方となっています。

 
ライフ・ワークのバランスをとっていく上では自分の価値観・相手の価値観・周囲の価値観を共有し、一緒に作り上げていくような姿勢が重要になってくると考えられます。

 

 

 

 

男性と女性の感じ方の違いについて

喧嘩する男女
 
男性と女性のライフ・ワークのバランスについて考えていく上では、それぞれが仕事や家事等の事をどのように感じるかを知っておくこともポイントとなります。
男性と女性の感じ方を知る事により、ワーク・ライフのバランスと、負担に感じる事を軽減する取組が出来ます。

 
ワーク・ライフのバランスをとっていくうえでポイントとなる感じ方としては「男性は”重み”を気にする生き物、女性は”量”を気にする生き物」である事です。

 

 

 

男性は重みを気にする生き物

 
男性が仕事と家事をしていく上ではそれぞれの「重要度」がとても重要視されます。
重要度が高い物をすると、他の重要度が低い物には目もくれないというのも特徴です。

 
例えば仕事と家事を考えた場合、男性の考えでは次のように重要度が点数付けされます。

 

  • 仕事:100点
  • 食器洗い:5点
  • 掃除:10点
  • 料理:15点

 
ここでポイントとなるのが「仕事と家事」は別々の枠の中では考えられず「横並び」で頭の中で考えられている事です。
明らかに重要度が高いのは100点の「仕事」なので、男性の思考では「仕事という価値の高い事をしたから、他の家事については点数低いからやらなくていいや」という考えになります。

 
あくまで重要な物や、大変な事を終えればそれで良しとする思考がある事が特徴です。

 

 

 

女性は量を気にする生き物

 
男性が重みを気にする生き物なのに対し、女性は「量」を特に気にする生き物と言われています。
それぞれの重要度の高さよりも、どれだけの種類の事を行っているという事の方が重要なのが特徴です。

 
例えば仕事と家事を考えた場合、女性の考えでは次のように重要度が点数付けされます。

 

  • 1番目:仕事
  • 2番目:食器洗い
  • 3番目:掃除
  • 4番目:料理

 
女性の思考の場合は、4つやらなければならない事があった場合、4つを「縦並び」で考えると言われています。
それぞれの順番は重要度に基づいて付けられますが、価値観の中では「何種類の仕事をこなしている」という事が一番重要視されます。

 
もちろん、明らかに負担が多い仕事については、その重さについて不満を抱く事もありますが、自分と他人を比較するときは「量」を重視しやすい傾向がある事は、男性は認識しておいて損はないのではないでしょうか。

 

 
ここまでで男性と女性の感じ方の違いについて考察しました。
“重要度”と”量”では、そもそも比べる単位が違う為、価値観からのすれ違いが起こりやすくなります。

 
お互いに相手がワークとライフの中で何を重要だと思っているかを知ろうとする事が、より働きやすく暮らしやすい環境を作っていくきっかけになると考えます。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

  • 男女がお互いにワーク・ライフのバランスを保っていくには、所属する企業と労働者像についてお互いの理解が必要です
  • ワーク・ライフのバランスを保つうえで社会的には「仕事と生活の調和憲章」が策定されています
  • 男女がお互いにワーク・ライフのバランスを保つうえで「男性は”重み”を気にする生き物、女性は”量”を気にする生き物」という感じ方の違いについても知っておく必要があります

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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