介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

ライフスタイルの変化について考える 介護の基本

      2015/11/07


同じ職場で働く同僚であっても、当然のことながら人生観や価値観はひとそれぞれ違います。
それと同じように仕事一筋の生き方や趣味を最優先した生き方、マイホーム第一優先主義など、それぞれがどのようなライフスタイルを選択するかは1000人いれば1000通りあるでしょう。

 
そうした個人の生き方は全体社会の変化と密接に関係しています。

 
この記事では社会の変化と共に変化するライフスタイルについての考察を述べています。

 

 
迷路
 

 

ライフサイクルとライフコースについて

人生ゲーム
 
命を持つものの一生の生活に見られる規則的な行動や活動などをライフサイクルと言います。
社会的な存在である人間はライフサイクルの中で、学業や就職、結婚や出産など、一生の内で様々な段階を踏みながら人生を歩んでいきます。

 
この一生の内で踏む段階の事を「ライフステージ」と呼びます。

 
日本では近代化のなかで、人々のライフサイクルの時間的な幅がどのように変化してきたのでしょうか。
統計でみる平均的なライフサイクル

 
例えば大正期から今日までのライフサイクルでは次のような変化の特徴があります。

  • 一世帯の子供の数が減少
  • 日本人の平均寿命が大幅に延びる
  • 子供が独立し、夫が引退してからの期間が長くなる

 
このようなライフサイクルの視点で統計を見るときは、現在との高齢期をめぐる状況のはっきりとした違いを示すという点では非常に意味を持った視点です。
しかし、この視点から不明な事も多く、個人のレベルで見たとき結婚・離婚の有無や子供の有無、健康状態や経済状態等、多様な人生の在り方を把握するには難しいです。

 
利用者のケアにあたるにあたっては信頼関係を構築しつつ、その人のライフサイクルについての情報収集を行っていくことが重要です。
こういった個人の人生に焦点をあてて、人生の送り方を家族歴・教育歴・職業歴・社会活動歴といった複数の経歴の束としてとらえる事を「ライフコース」と呼び注目されています。

 

 

 

 

ライフサイクルやライフコースをジェンダーの視点から見る

男性と女性
 
ライフサイクルやライフコースを考える上で、個人の生き方に着目して家族をとらえるには、「ジェンダー」の視点を考える必要があります。

 
ジェンダーとは社会的・文化的に形成された性差の事を指し、「男らしさ」や「女らしさ」で表現される物です。
最近では性差について社会的・文化的に形成される物ではなく、個人のその人らしさを尊重する動きが高まっていますが、今までの日本においては「らしさ」の価値観が非常に強く、個人の生き方に多大な影響を与えてきた事は言うまでもありません。

 

 
今までの日本では「男性は外で働き、女性は家庭を守る」というかつて主流であった性別分業の考え方があります。
これらの考えは1985(昭和60)年の男女雇用均等法の制定や、1999(平成11)年の「男女共同参画社会基本法」の制定といった社会の流れの中で大きく変化してきており、1990年代には、専業主婦世帯の数は減少傾向にあります。

 
ここで紹介した女性雇用に関する法案の制定はつい最近の事で、これまでの日本社会で暮らしてきた人の中では「らしさ」の考えが根強く残っている部分がある事も確かです。

 
利用者の方の中にも、この考えを強くお持ちの方がいる事もあります。
そのことを知っておくだけで、今後自分がそういった方とのやり取りがあった際に心のゆとりを持つこともできるでしょう。

 

 

 

 

「働く」について

協力
 
先の説明で女性の雇用や社会的地位の確保に関わる法案や考えについて紹介しました。
それに次いで今までの日本では出産や結婚を期に離職をするいわゆる「寿退社」といった言葉がありましたが、結婚・出産・子育てを終えて再就職をし、て働く女性も増えてきています。

 
こうした女性の就労状況の変化は、離婚の増加や非婚化、晩婚化の傾向にもあらわれているように、個々の女性が独自のライフスタイルを選択し暮らしている事の一つの見方にもつながります。

 
高齢を迎えても働く女性が増加してきていることも現代の特徴の一つです。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

  • 人の一生の過ごし方を見るには「ライフサイクル」の視点を持つことで社会的な影響からくる人生の歩みかたを垣間見る事が出来ます
  • 個々の人生を見るとき個人の歩んできた人生、所属してきた集団、経歴等から見る「ライフコース」の視点で見る事が効果的です
  • ライフサイクル・ライフコースを考える上では社会的な性差と言われているジェンダーの視点は外す事が出来ない要素の一つです
  • 「男女雇用機会均等法」や「男女参画社会基本法」もジェンダーの視点を動かし、女性の社会進出を支えたきっかけの一つです
  • 男性のライフコースもさることながら、近代では女性のライフコースが大きく変化してきたことを認識するする事で心のゆとりに繋がる事があります

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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