介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

チームケアの基本 集団や組織とは

      2015/11/07


家族、町内会、サークル、職場、勤務先の福祉施設や病院、ボランティアグループなど、私たちは暮らしの中で様々な集団と関わっています。
介護福祉士の分野であっても、実に様々な専門分野の人々と関わり、それぞれの仕事に取り組んでいる事が見て取れます。

 
近年では様々な職種の方と連携して仕事を進めるチームケア(多職種連携)という言葉が、介護の領域で聞かれるようになりました。
それぞれの専門分野を超えて様々な人と協力しながら一緒に仕事を進めていく機会も一層多くなり、チームケアは今や介護の常識となりつつあります。

 
様々な場面で自分の属する集団や組織と関わっていくうえでは「集団」や「組織」に対する理解を深める事で自分の立ち回りや考え方が変わって来るのではないでしょうか。

 
この記事では「集団」や「組織」について紹介しています。

 

 
集団
 

 

社会的な集団について

世界
 
集団というと何をイメージするでしょうか。
単に人が集まっている状態も一般的には集団と呼ばれますが、通勤時の駅前の人だかりなどは集団とは呼びませんよね。

 
集団を考える上ではアメリカの社会学者マートン(Merton,R.K.)が三つの基準を上げています。

 

  • 既定の型式に従った相互行為を行う一群の人々からなる事
  • 相互行為を行う人間は自分たちを「成員」として規定している事
  • 相互行為を行っている人々は他の人によって「その集団に所属する者」として規定されている事

 
難しい言葉が使われていますが、要するに「誰が集団のメンバーなのか」というルールのもと、お互いに何かをしようとすることによって、自分も他の人もその集団に所属している事がわかっている。
このような状態であれば「集団」であるといえます。

 
人間は社会的な動物であり、毎日さまざまな集団とのかかわりの中で生きる存在と言えます。
私たちが普段考えている意見や態度も、一定の集団の中でのルールや価値観の関係の中で作られた枠組みをよりどころとしている事が多く、その様な集団の事を「準拠集団」と呼びます。

 

 

 

準拠集団とは

クラス
 
自分がそれまで自分の職場での地位に満足していたのに、他の同僚たちが先に出世した際に急に失望感を持ってしまった場合を考えてみます。
この場合は「同僚」というグループが準拠集団となっているといえます。

 
自分が所属する集団があり、その中で自分の価値観や意見(ここでは自分の地位に満足するといった価値観や、同僚に対する価値観が含まれます)を持っています。

 
別の例でいうのであれば「ゲーム機を欲しがる子供」も取り上げる事が出来ます。
「クラスの友達はみんな持っているから」「ゲーム機を持っていないと遊んでくれない」といった価値観や一定のルールの元、出来上がった集団なのであれば、子供にとってはそうした「クラスメートで作られた集団」が準拠集団と考える事が出来ます。

 
このようなケースのほか、準拠集団となるのは必ずしも自分が所属している集団ばかりでなく、今まで所属していた集団や、将来所属したい集団など、秘書族の集団である事もあります。

 

 

 

 

私たちを取り巻く「組織」というものについて

介護保険制度
 
私たちを取り巻く組織には「コミュニティー」や「アソシエーション」のように集団を「基礎的」なものと「機能的」なものに分けて考える事が可能です。

 
コミュニティーやアソシエーションについては「利用者の地域について考える 介護をする上で考える事」の記事でも記載しています。

 
こういった考え方はドイツの社会学者 テンニースによる次の考え方がとりわけ代表的な考え方として挙げる事ができます。

  • ゲマインシャフト(家族や村落)
  • ゲゼルシャフト(企業や大都市など)

 
社会学者が唱えるいぞれの考え方も、社会の近代化に伴って「機能的な集団」が私たちの生活でより多く関わるようになってきた事に着目する物が多いといった共通点があります。

 
機能的な集団(機能集団)とは、特定の目的を目指して運営される集団の事を指します。
機能集団の特徴として、計画的・意図的な運営がされていています。
そして、そこで所属する人々の活動を調整し、制御するシステムがあります。
このような人々の活動を調整し制御するシステムの事を「組織」と一般的によばれています。

 
企業という集団が、そのなかに「企業組織」を持つことや、学校という集団が、集団の中で「学校組織」を持っている事は今までの暮らしの中から見て取れるのではないでしょうか。

 
近代化や産業化が進むことで、大企業といった大きな集団の組織が重要性を増す中で、組織された集団自体を「組織」と呼ばれる事も少なくありません。

 
これまでの考察から、組織とは何かしらの目的を達成する為に、意図的な調整を受けながら存続する公認的な集団であると言えます。

 
介護の領域でも「施設」という集団の中で「介護士」や「看護師」といった組織の中で仕事をしています。
仕事を進める上では別の領域の集団に入っている人とも仕事を進める必要があり、その目的や価値観については別であることを十分認識する必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

 

  • 集団とは「誰が集団のメンバーなのか」というルールのもと、お互いに何かをしようとすることによって、自分も他の人もその集団に所属している事がわかっている状態である事で成り立つ人の集まりです
  • 組織とは何かしらの目的を達成する為に、意図的な調整を受けながら存続する公認的な集団です
  • 介護の領域でも自分が集団や組織に属している事を自覚しつつ、別の領域の集団に入っている人とも仕事を進める必要があり、その目的や価値観については別であることを十分認識する必要があります

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました

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