介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

都市化による介護の課題

      2015/11/07


一昔前と比べて、現代の日本では都市化が進んでいます。
都市化により産業が発達し、よりよい暮らしを獲得しつつある日本ですが、それに伴う課題があるのは意識しておく必要があるでしょう。

 
現代と今後の介護の在り方を考えていく上では都市化の課題について解決する必要性もあります。

 
この記事では都市化の課題について紹介しています。

 

 
都市
 

 

都市化が招いた高齢化の問題点

考える
 
1950年代半ばから1970年代前半は高度経済成長期と呼ばれる時期がありました。
高度経済成長では第一次産業と言われる農林漁業から、第二次産業、大三次産業を中心とする産業へ移り変わっていき、それに伴って「企業に就職する」働き方へ転換してきました。

 
これにより、地方から東京圏、大阪圏、名古屋圏といった三大都市圏をはじめとした都市部への大量の人口移動がうまれました。
都市部に大量の人口が移動する事によって、さらに都市化が進んでいきました。

 
この流れについては各家庭の在り方にも影響を与えていて「家庭の役割 介護と暮らし」でも、その内容については紹介しています。

 
人口の急激な地域の移動により、都市部の人口は人口過多の過密状態となり、一方地方では人口が不足する過疎といった問題を引き起こしています。

 
多数の若手の人口が急速に都市部に移動する事により、都市部では住宅不足や生活環境の悪化や治安の悪化といった問題が生じると同時に、人と人の社会関係の希薄化といった問題も起こり始めました。

 
これは都市では大多数の人が他のほとんどの人を深く知る事のないまま、物理的に近くにただ暮らしているだけといった地域が多いことからもうかがい知る事が出来るのではないでしょうか。

 
その結果、「アーバニズム」と呼ばれる都会の人が人間関係で示す控えめな態度や無関心さ、社会的なつながりや伝統的な基盤の弱体化が生み出される事となります。

 
都市に人口が流入する事で地方の高齢者を介護する人口が減り、都市部に若者が集中する事になります。
都市部においては個々の人間関係が希薄化する事で、人はいても近隣の高齢者の介護をするには至らないといった事態が発生します。

 
現代の暮らしの流れにおいて、高齢者介護を担う介護福祉士等のケアワーカーの存在が重要視されるようになりました。

 

 

 

 

過疎化と高齢化の関係

寂しい
 
テレビなどで「過疎問題」といった言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

 
過疎問題とは急激な人口の流出により、地域の住民の生産と、社会生活を送る上での機能が弱まり、生産される作物が減ったり、生活が困難になるなどコミュニティ全体の弱体化が生じる事を言います。

 
利用者の地域について考える 介護をする上で考える事」でコミュニティーについて紹介しています。

 
高度経済成長期に若者を中心に人々が都市へ流出した農村部では、地域社会の年齢構成が変化しました。
現在では残された人々の高齢化が進む中で「少子」の世の中となる事で、子供が生まれるよりも人が亡くなる数の方が多い状況となっています。

 
最近言われるようになった「限界集落」でも、こうした状況がいかに危険か、警鐘を鳴らしています。
しかし、すでに日本人口全体が減少傾向にある日本では、過疎化をめぐる問題はこれまでに紹介した集落だけのみならず社会全体の今後の在り方に関わる重要な課題と言えます。

 

 

 

 

都市化・過疎化への試み

チーム
 
高度経済成長に伴う急速な都市化、過疎化を経て、生活のあらゆる場面でかつての日本の生活様式や地域社会の姿は大きく変わりました。
しかし、地域社会には多くの役割が期待されていて、さまざまな集団がこれら課題に向けて取り組むようになってきました。

 
生活者への公共サービスの担い手である地方公共団体や、民間の社会福祉活動を支える事を目的とした社会福祉協議会といった公的組織、戦前から行政との強いつながりを持ってきた町内会や自治会は特に代表的な団体と言えます。

 
1998(平成10)年には「特定非営利活動促進法」によってNPOが法人格として認められるようになり、今後の活動に期待される事となりました。

 
これらの団体の活動が都市化・過疎化が生んだ課題を解決、軽減するよう様々な取り組みをしています。

 

 

 

 

まとめ

 
この記事のまとめです。

  • 1950年代半ばから1970年代前半は高度経済成長期と呼ばれる時期を経て、三大都市圏をはじめとした都市部への大量の人口移動が起こりました
  • 都市に人口が流入する事で地方の高齢者を介護する人口が減り、都市部に若者が集中する事になりました
  • 人口が都市部に集中する事で、地方の過疎化、都市部の過密化が起こり高齢者介護などで課題が生じました
  • 現在、地方で暮らす人々の高齢化が進む中で「少子」の世の中となる事で、子供が生まれるよりも人が亡くなる数の方が多い状況となり、地方の過疎化が深刻化しています
  • 都市化・地方の過疎化に対する試みとして、福祉に関わる集団の活動が注目されています。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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