介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

様々な家族のかたち 介護をする上で知っておく事

      2015/11/07


介護の仕事をしていく上で、利用者の方と、そのご家族とやり取りをする場面もあるでしょう。
家族と一言にいっても、価値観・家庭の事情等の理由により様々なかたちをとっています。

 
自分が過ごしてきた家族のかたちが、利用者の方とそのご家族の方の「家族のかたち」と一致するとは限りません。

 
この記事では現代で主流となっている家族のかたちの枠組みについて紹介しています。

 

 家族 (3)
 

 

家族の構造と形態

集まり
 
利用者の方をケアしていく上で、利用者の方のご家族との連携が重要となってきます。
ご家族の方と連携を図っていくにあたっては、一定の枠組みについて知っておくことで連携を図る際に頭の整理に役立ちます。

 
現在、主な家族のかたちとしては次のような家族形態があります。

  • 核家族
  • 直系家族
  • 夫婦家族
  • 複合家族

それぞれについて説明していきます。

 

 

 

 

核家族とは

協力
 
核家族という言葉は、アメリカの社会人類学者であるマードック(Murdok,G.P.)によって提唱された概念です。
人間社会に関する多数のデータ比較を踏まえ、家族のもっとも基礎的な単位として夫婦と未婚の子どもたちから構成される家族形態です。

 
核家族は単独で存在する場合もありますが、夫婦関係が複合して「複婚家族」を、親子関係が複合して拡大家族を構成する場合もあります。

 
複婚家族については一夫多妻や一妻多夫の家族構成となるため、現代の日本では一般的ではありません。
拡大家族は結婚した子供が親夫婦と同居する家族であり、二世帯住宅などの住居で住む事も現代では多くなっています。

 
核家族は、親と子の二つの世代を含んでいるので、親世代から見るか、子世代からみるかによって異なる様相を示します。
親世代から見れば自分が配偶者と結婚して子供を産み育てていく家族となります。(これを「生殖家族」と呼びます)
子世代から見れば、そこには父や母がおり、自分の意思に関わらずそこで産み育てられていく家族となります。(これを「定位家族」と呼びます)

 
人が生殖家族を作ろうとするとき、人間社会に普遍的に存在するインセスト・タブー(近親相姦禁忌)により、自分と同じ定位家族の異性とは結婚できない為、他の定位家族に生まれ育った異性と結婚し、その結果、核家族の世代的な結びつきがつくられる事になります。
簡単に言うと別の家に嫁いだり、嫁や婿養子を得ることによって生殖家族を作っていくことになります。

 

 

 

 

直系家族とは

子供
 
核家族間の世代関係について、その居住規則(結婚後にどこに住むのか)に着目する事で、家族のかたちのパターンとして二つのかたちとして切り分ける事が出来ます。

 
直系家族制は、跡取りが結婚後も親と同居して、代々家族を直系的に継承していくものです。
跡取り以外のきょうだいが結婚後も同居するかたちをとる事もありますが、これは一時的なものである場合がおおいです。

 
跡取りには親の社会的地位や財産などが優先的に配分される事になります。

 
こうした家族のかたちは、農業や商業など生活基盤が家族経営におかれているような社会に適合し、親子の世代間扶養を容易にします。

 

 

 

 

夫婦家族とは

老人福祉制度
 
夫婦家族制は、夫婦の結婚によって家族が形成され、その死亡によって消滅する一代限りのものです。
子は成長にしたがって就職や結婚を機に親元を離れ、親の生殖家族とは別に自分の生殖家族を構成します。

 
ただし、配偶者をなくした老親が子の家族に身を寄せる事はあります。

 
財産などは、原則として子供の間で均分して相続されます。

 
こうした家族のかたちは、労働力の地域移動が盛んな社会に適合し、夫婦単位の生活の維持を老後も可能とするために、ある程度の所得水準と社会保障制度などの支えが必要となります。

 
現代の日本ではこの夫婦家族性の考えが特に広く浸透していると言えます。

 

 

 

 

複合家族とは

チーム
 
今までに紹介した「直系家族」と「夫婦家族」の他にも、複数の子ども家族が親と同居する事を原則とした複合家族制があります。
これまでの家族のかたちを踏まえ、現実の家族をその外面的特徴により分類する場合は「夫婦家族」「直系家族」「複合家族」といった3つの分類となります。

 
これらの家族構成はあくまで「利用者の方」を中心として考えた場合の家族のかたちに着目する事がポイントとなります。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

 

  • 家族のかたちには「核家族」「直系家族」「夫婦家族」「複合家族」といった切り分けができる
  • 核家族は家族のもっとも基礎的なユニットとして夫婦と未婚の子供たちからなる家族のかたちです
  • 直系家族は、跡取りが結婚後も親と同居して、代々家族を直系的に継承していくものです
  • 夫婦家族は夫婦の結婚によって家族が形成され、その死亡によって消滅する一代限りのものです
  • 複合家族は複数の子供家族が親と同居する事を原則としたものです

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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