介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

家庭の役割 介護と暮らし

      2015/11/07


何気なく過ごしている「家庭」ですが、家庭に対して持っている価値観や求めている事というのは人によって違います。
この記事では内閣府の調査結果などをもとに家庭の役割についての考察を述べています。

 

 
家庭
 

 

家庭で過ごす人から見た「家庭」の役割

老人福祉制度
 
現代の日本で生きる私たちにとって家庭はどのような意味を持っているのでしょうか。
平成23年に内閣府が行った「国民生活に関する世論調査」における「あなたにとって家庭はどのような意味をもっているか」という質問に対する答えでは次のような結果となりました。

 
家庭の役割(平成23年)

 
最も多くの人々に認識されているのは、「家族の団らんの場」「休息・安らぎの場」として家庭の役割があるのがわかります。
続いて高いのが「家族の絆を強める場」という項目です。

 
家族の絆には親子の絆や夫婦の絆など様々な絆の形があるでしょう。
とても広い意味を持っているため、他の項目の根底には「家族の絆を深める場」という意味合いを含んでいるものもあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

外部から見た「家庭」の役割

市町村
 
家庭の中で過ごす一員として見た家庭は先に述べました。
同様に家庭というものを第三者の視点や社会的視点から見てみたときはどうでしょうか。

 
「休息・やすらぎの場」としての家庭は、心理的および身体的に健康的な生活を保つことを通して、社会的な労働力の回復・維持の役割を果たしているといえます。

 
家族の絆を強める場として家庭は教育やしつけの場としても広く認識されている事のひとつです。
この役割によって古来からの教えや文化を子に継承していく文化的な役割の側面も持っていると言えるでしょう。

 
親の世話という事に注目するならば、家族によって介護を担っていく役割を持っています。
子供を産み育てるという点では、人間という種の再生産機能を持っているともいえます。

 
これらの考察はほんの一部で、別の視点から見れば、また別の役割を家庭は担っているとも見る事が出来、家庭が持つ社会的な価値も非常に高い物になっています。

 

 

 

 

家庭が持つ役割が外部に動き始めている

外への扉
 
家庭が持つ役割は非常に多く、それでいて重要である事は今までの考察からもわかるかと思います。
しかし、それらの役割は決して家庭がある限り続くといった不変的な物ではありません。

 
現代にかけて社会の近代化・産業化が進むにつれて家庭が持っていた役割は、徐々に外部化されサービスとして切り出されていくようになりました。

 
かつては家族で自営業に従事する人々が多かった時代は家庭が持っていた役割と経済的な活動は密接にかかわっていましたが、今では経済的な活動は企業に従事するのが一般的です。
これにより家庭が持つ経済的な役割は企業に切り出される事になりました。

 
教育や文化の伝達については、子供の教育・養育は学校や保育所・幼稚園、さらに各種の習い事が大部分を占める世の中になってきています。

 
介護福祉の分野ではどうでしょうか。
介護保険制度をきっかけに「介護の社会化」という言葉が用いられるようになり、これまで家庭で行われてきた介護の一部を専門的な福祉サービスにゆだねることが今では一般的になりつつあります。

 
家庭が持つ役割が外部化される事により、一見家庭の価値が下がったかのようにもみえますが、さまざまな社会システムの役割の文化が進んできている現代では、より家庭の役割がそれぞれの価値観により強められ特化してきていると考える事もできます。

 
現在の日本において最も多くの人に受け止められている家庭の役割が「家族の団らんの場」である事は、団らんの場として家庭が更に特化し始めたと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

まとめ

指
 
この記事のまとめです。

 

  • 家庭で過ごす人の「家庭の役割」としては次の3つが特に多くの割合を占めています
    • 家族の団らんの場
    • 休息・やすらぎの場
    • 家族の絆を強める場
  • 社会的な視点から見た「家庭の役割」や持つ視点から多様な役割を持つことが伺え、家庭が持つ役割は社会的にも価値の高い物と言えます
  • 社会システムの機能分化が進んできた現代では家庭の役割の外部化が始まり、それぞれの家庭が望む家庭の役割に特化してきています

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

スポンサーリンク




 - 社会 ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

高齢者の人権問題 経済や私たちのお財布に与えるダメージ
高齢者の人権問題 経済や私たちのお財布に与えるダメージ

日本は超高齢社会となり、高齢者が激増しつつあります。 増える高齢者で問題となるの …

感染症や結核対策について
感染症や結核対策について 保健医療にかかわる制度

感染症や結核については昨今のニュースやメディアの報道で話題になっている事のひとつ …

高齢者の人権 高齢者の権利擁護の必要性
高齢者の人権 高齢者の権利擁護の必要性

家族介護や介護職員として、高齢者を介護する事もあるでしょう。 また、超高齢社会の …

人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろうか
人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろう

世界に目を向けてみると人権ってなんだろう?と思う瞬間は無いでしょうか。 人を人と …

ピラミッド
利用者の今までを考える 仕事と官僚制への理解

利用者の方の今までの生活について考えていくうえでは、利用者の方が今まで関わってき …

ビジネスマン
ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割

介護保険制度を利用するにあたって、ケアマネージャーは必要不可欠な存在となります。 …

福祉が提供する施設について
福祉が提供する施設について 

日本における福祉では様々な形で生活の場を提供しています。 施設を利用する人が生活 …

男性と女性
男性と女性の働くについて考える ワーク・ライフのバランス

女性の社会進出の一方で、家庭における家事分担に関しては、現在も妻が正社員で働いて …

障害者の人権 この世の何が一番障害なのか?
障害者の人権 この世の何が一番障害なのか?

介護を必要とする人には何も高齢者ばかりが介護を必要としているわけではありません。 …

介護士の医療行為の実態と出来る事について
介護士の医療行為の実態と出来る事について

介護士は最近では医療機関で働く機会が増えています。 また、仕事の内容としても医療 …