介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

介護保険制度の理念

      2015/11/07


介護保険制度は現代の日本の介護を社会全体で行っていくうえで中心となる制度です。
介護保険制度の内容には介護を必要とするさまざまな人を支える上で必要な事を制定し、介護サービスの展開になどに使われています。

 
では介護保険制度はどんな考えや思いによって制定された制度なのでしょう。

 
介護保険制度は平成12年に施行された制度ですが、もとをたどると平成9年に成立した介護保険法がもととなった制度です。
介護保険制度とはそもそもなんなのか?介護保険制度の理念にはどんなものがあるのか?

 
介護保険制度の理念についてまとめましたのでチェックしていってください。

 

 
介護保険制度の理念
 

 

介護保険制度とは

介護保険制度とは
介護保険制度とは介護を必要とする人を社会全体で支える目的でつくられた制度です。
介護保険制度が持つ理念としては介護を必要とする状態となってもできる限り自立した日常生活を営み、人間としての尊厳を全うできるようにする事です。

 
介護保険制度の財源は介護保険制度で徴収される事となる介護保険料と税金なります。

 
介護サービスを利用する場合の費用の負担は、介護サービスを利用する被保険者からの保険料が半分、税金(国25%、県・市区町村が各12.5%)で半分となります。

 
介護保険料は市区町村によって徴収されます。
介護保険料は市区町村内の被保険者の人数やサービス利用状況をみて保険料を定めています。

介護保険制度の申請から認定は市区町村によって行われ、介護保険のサービスを利用する場合は市区町村に申請します。
市区町村の窓口に行って、介護保険被保険者証申請書を提出します。

 
介護保険制度の申請については、利用者自身で行うことのほか、次に紹介する人に代行してもらう事もできます。

  • ケアマネージャー
  • かかりつけ医
  • 介護保険事業者

 
要介護認定がおりて、介護保険を利用する事が出来るようになったら、次は必要とするサービスを選ぶ事になります。

 
要介護認定によって判断された区分が「要支援」と認定された方は居宅サービスのみを、「要介護」と認定された方は居宅サービスと施設サービスを利用できます。

 
介護保険制度とはなにかという事については「介護保険制度とは」で詳しく紹介していますのでチェックしていってください。

 

 

 

 

介護保険制度の理念

介護保険制度の理念
介護保険制度は平成12年に施行された制度ですが、そのもととなる法律としては介護保険法という物があります。
介護保険法は平成9年12月に成立した法律です。

 
介護保険法では第一条に「制度の目的」が示され、第2条には「具体的な方針」が示されています。
介護保険法の内容についてポイントをおさえると、介護保険制度は次のような理念をもった制度である事がわかります。

 

  • 高齢者の尊厳の保持
  • 要介護状態の軽減・予防の重視
  • 医療との十分な連携
  • 利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにする
  • 民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供
  • 在宅における自立した日常生活を重視
  • 国民の共同連帯

 

 

 

介護保険制度の理念 高齢者の尊厳の保持

介護保険制度の理念 高齢者の尊厳の保持
介護保険制度の理念としては高齢者の尊厳の保持があります。

 
戦後の日本における介護は決して高齢者に優しい世の中とは言えませんでした。
家族介護を受けることが出来ず、介護サービスの利用者となった高齢者は施設などで集団生活を送る事を中心とした考えのもと介護を受けていました。

 
介護が必要な状態になったとしても、認知症で自分の力では自分の生活を送る事が難しくなったとしても、一人の人間として人権が守られ、一人ひとりの高齢者の尊厳が守られる介護サービスを提供する事が介護保険制度の基本的な理念として掲げられています。

 

 

 

介護保険制度の理念 要介護状態の軽減・予防の重視

介護保険制度の理念 要介護状態の軽減・予防の重視
介護保険制度の理念として、要介護状態の軽減・予防の重視が掲げられています。

たとえ介護が必要になったとしても、身体や精神の維持を図る事や、悪化の防止を図る事が介護保険制度の理念として掲げられているのです。
また、現在介護が必要では無い人は介護が必要な状態となる事が内容、事前に対策をし要介護状態となる事を防ごうという事も掲げられています。

 

 

 

介護保険制度の理念 医療との十分な連携

介護保険制度の理念 医療との十分な連携
介護保険制度の理念として、医療との十分な連携も理念として掲げられています。

 
介護サービスを提供する上では、高齢者であれば老化にともなった身体状況・精神状況の変化であったり、疾病への対処・医学的な視点など、さまざまな場面で医療への連携が必要となってきます。

 
対して、介護という物を見てみると日常生活を送る上での支援を目的としたサービスです。

 
高齢者ともなれば日常生活を送る上では医療の力を存分に借りないと健康的な生活を維持する事が困難なケースがあります。
介護保険制度の理念として、介護の枠組みにとどまらず、医療と十分な連携を図り、介護サービスを利用する人の生活をより安全に支えていく事を理念としています。

 

 

 

介護保険制度の理念 利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにする

介護保険制度の理念 利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにする
介護保険制度の理念には利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにするという理念があります。

 
介護保険制度が制定される前は、高齢者の介護は老人福祉制度と呼ばれる制度によって支えられていました。
老人福祉制度は措置制度と呼ばれ、利用者が自分で必要なサービスを選択するのではなく、市町村が必要なサービスを判断し提供していました。

 
介護保険制度の理念としては心身の状況や環境などに応じて、高齢者や障がい者が自分自身で必要なサービスを選択し、介護サービス事業者・施設と対等な契約をし、利用する事を基本とすることを理念としているのです。

 

 

 

介護保険制度の理念 民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供

介護保険制度の理念 民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供
介護保険制度の理念には民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供という理念があります。
これは、民間企業や市民参加の非営利組織・ボランティアなどによるサービス提供の参入を認める理念となります。

今までの介護は市町村が必要なサービスを提供する措置制度をもとにした介護を行ってきました。

一般の企業などの営利団体は介護の分野に参画する事が出来なかったのですが、日本の家族形態の変化や介護サービス利用者の増加があり、民間企業や市民参加による介護サービスの提供を認める必要性がありました。

介護保険制度では民間の企業や市民参加、非営利組織やボランティアなどのサービス提供の参入を認める事によって、社会全体で介護を支えていこうという理念を持つようになったのです。

 

 

 

介護保険制度の理念 在宅における自立した日常生活を重視

介護保険制度の理念 在宅における自立した日常生活を重視
介護保険制度の理念には在宅における自立した日常生活を重視する事を理念としています。
高齢者・障害者一人ひとりの一人ひとりの能力に応じ、可能な限り在宅での生活を営むことが出来るように介護サービスを提供する事を理念としています。
また、すでに利用している人に対しては、より自立に向けた支援をしていく事も含みます。

 
多くの高齢者は家で生活したいと考えている人が多いです。
介護保険制度では家で生活したいと考えている介護が必要となった高齢者を可能な限り、家に戻る事が出来るよう支援していこうという考えがあるのです。

 

 

家で生活したいという人が多い事について

高齢者の気持ち 家で生活したいんだ!
高齢者の方の気持ちとしては家で生活したいという人は、高齢者のなかでも多くの割合を閉めます。

 
介護が必要のない若い世代であっても施設に積極的に入りたい!と考えている人は稀でしょう。
安心できる家で、今まで通りの生活を続けたいと感じる事が普通だと言えます。

2010(平成22)年に内閣府が60歳以上の人を対象に「虚弱化した時望む居住形態」の調査を行いました。

 
虚弱化という言葉では分かりにくいと思いますが、要するに老化して生きる気力を失ってしまった場合や、高齢にともなって病気や障害を抱えてしまった場合と考えるとわかり易くなると思います。

 
要するに介護が必要になった時、どこであなたは生活したいですか?という調査ですね。

調査結果を見ると「現在のまま、自宅にとどまりたい」「改築の上自宅にとどまりたい」と答える方が66.4%となり約7割近い人たちが虚弱化(介護が必要な状況など)しても、自宅での生活を続けたいと希望しています。
対して、高齢者用住宅や老人ホームへの入居については21.7%となり約二割の人が介護施設への入居を希望しています。

 
この事からわかる事は大多数の人が家で生活したいんだ!と思っているという事です。

 
高齢になって元気があってもなくても、家で生活したいと思う事は人としては自然の摂理のようなものなのでしょうね。

 
若い人でも環境が変わると適応するのに多くの体力を費やします、ましてや何らかの生活の不都合さを抱えた高齢者にとっては適応のための努力には大変な困難やストレスを伴います。

 
施設で働く介護職は、そのような施設を利用する方の気持ちを理解し、施設での生活が限りなくその人の以前の暮らしに近い物になるように環境を整備する事が必要になります。

 
家で生活したいという人が多い事については「高齢者の気持ち 家で生活したいんだ!」で詳しく紹介していますので内容をチェックしていってください。
 

 

 

介護保険制度の理念 国民の共同連帯

介護保険制度の理念 国民の共同連帯
介護保険制度の理念としては国民の共同連帯という理念があります。
介護保険制度において、介護は社会全体で行っていくべきものという考えの元、介護保険料を徴収し必要な人に必要なサービスを提供するのに用いられる事を理念としています。

 
高齢化社会となった現代の日本では介護を必要する人の割合が増加していきます。
社会全体で介護を担うには介護保険料や税金を国民が支払い、介護保険の財源を確保し、必要な人に用いていこうという事を実現する上で重要となる理念と言えます。

 

 

 

 

介護保険制度の理念 まとめ

介護保険制度の理念 まとめ
介護保険制度とは介護を必要とする人を社会全体で支える目的でつくられた制度です。

 
介護保険制度が持つ理念としては介護を必要とする状態となってもできる限り自立した日常生活を営み、人間としての尊厳を全うできるようにする事です。

 
介護保険制度は平成12年に施行された制度ですが、そのもととなる法律としては介護保険法という物があります。
介護保険法は平成9年12月に成立した法律です。

 
介護保険法の内容についてポイントをおさえると、介護保険制度は次のような理念をもった制度である事がわかります。

 

  • 高齢者の尊厳の保持
  • 要介護状態の軽減・予防の重視
  • 医療との十分な連携
  • 利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにする
  • 民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供
  • 在宅における自立した日常生活を重視
  • 国民の共同連帯

 
介護保険制度の理念としては高齢者の尊厳の保持があります。

 
介護が必要な状態になったとしても、認知症で自分の力では自分の生活を送る事が難しくなったとしても、一人の人間として人権が守られ、一人ひとりの高齢者の尊厳が守られる介護サービスを提供する事が介護保険制度の基本的な理念として掲げられています。

 
介護保険制度の理念として、要介護状態の軽減・予防の重視が掲げられています。

 
たとえ介護が必要になったとしても、身体や精神の維持を図る事や、悪化の防止を図る事が介護保険制度の理念として掲げられているのです。
また、現在介護が必要では無い人は介護が必要な状態となる事が内容、事前に対策をし要介護状態となる事を防ごうという事も掲げられています。

 
介護保険制度の理念として、医療との十分な連携も理念として掲げられています。
介護保険制度の理念として、介護の枠組みにとどまらず、医療と十分な連携を図り、介護サービスを利用する人の生活をより安全に支えていく事を理念としています。

 
介護保険制度の理念には利用者が自分にふさわしいサービスを選択できるようにするという理念があります。

 
介護保険制度の理念としては心身の状況や環境などに応じて、高齢者や障がい者が自分自身で必要なサービスを選択し、介護サービス事業者・施設と対等な契約をし、利用する事を基本とすることを理念としているのです。

 
介護保険制度の理念には民間の様々な事業者・施設によるサービスの提供という理念があります。

 
これは、民間企業や市民参加の非営利組織・ボランティアなどによるサービス提供の参入を認める理念となります。
介護保険制度では民間の企業や市民参加、非営利組織やボランティアなどのサービス提供の参入を認める事によって、社会全体で介護を支えていこうという理念を持つようになったのです。

 
介護保険制度の理念には在宅における自立した日常生活を重視する事を理念としています。
高齢者・障害者一人ひとりの一人ひとりの能力に応じ、可能な限り在宅での生活を営むことが出来るように介護サービスを提供する事を理念としています。
また、すでに利用している人に対しては、より自立に向けた支援をしていく事も含みます。

 
介護保険制度の理念としては国民の共同連帯という理念があります。
介護保険制度において、介護は社会全体で行っていくべきものという考えの元、介護保険料を徴収し必要な人に必要なサービスを提供するのに用いられる事を理念としています。

 
社会全体で介護を担うには介護保険料や税金を国民が支払い、介護保険の財源を確保し、必要な人に用いていこうという事を実現する上で重要となる理念と言えます。

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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