介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろう

      2015/11/07


世界に目を向けてみると人権ってなんだろう?と思う瞬間は無いでしょうか。
人を人として扱わない、表向きは人権を守るような事をうたっていたとしても、裏では人権なんてなくて同然のものとして扱われる事もあります。

 
こんなことが世界でも、日本でだって起きる事があるのです。
現代は本当に人権が守られる世の中になったのでしょうか?そもそも日本において人権とはどのように定義されているのでしょうか?

 
日本における人権の決まりごとや具体例を見ながら掘り下げていきたいと思います。
※人権とは?という事については「人権とは? 自分が自分らしくあるために」で解説しているので、読むと更に内容が詳しく理解できます。

 

 
人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろうか
 

 

日本の人権は何で守られている?

日本の人権は何で守られている?
日本に住む人は当然、日本で定義されている人権によって守られています。
実際に守られているか否かはさておき、日本の人権は何によって定義されているのか見ていきましょう。

 
つまりは「私たちの人権」が何によって守られているかという事を見るという事です。

 

私たちの人権について定められている中心となる法律は「日本国憲法」です。
日本国憲法に掲げられている基本的人権の条項が私たちの人権のもととなる物なのです。

 
憲法に掲げる基本的人権の条項は、日本の福祉関係の規定の中心となっているものです。
子供でも大人でも、高齢者でも日本国憲法のなかで分け隔てなく人権がある事が定義されているのです。

 
一人の人間として生きていくのに必要な個人の人権、そして自分らしく生きていくという尊厳が日本国憲法で定義されているのです。
これにより個人の人権と尊厳が尊重されているわけです。

 

 

 

日本国憲法 特に重要な第13条と25条について

日本国憲法 特に重要な第13条と25条について
日本国憲法で人権について特に規定されている条項は次の通りです。

  • 日本国憲法 第13条
  • 日本国憲法 第25条

 
日本国憲法第13条と第25条が、私たちの人権を規定している条項なのです。
第13条と第25条によって、大きな人権としての枠組みが作られ、更に具体的な内容は、それぞれのの法律によって国民一人ひとりの生存権が保証されていることになります。

 
日本国憲法第13条と第25条には実際にどのような事が規定されているのか見ていきましょう。

 

 

日本国憲法 第13条

日本国憲法 第13条

すべて国民は、国民として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 

日本国憲法 第25条

日本国憲法 第25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、全ての生活部面について社会福祉、社会保証及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 
「憲法第25条」では「健康で文化的な生活とは人間の尊厳が生活の上で実質的に保持されること」を意味しています。
つまりこれは「生存権」の内容なんです。

 

 

 

人権が守られている状態 一人の人間として認められている状態について

人権が守られている状態 一人の人間として認められている状態について
私たちは誰しも自分が一人の人間として、自分らしく生きていく事を望んでいます。
自分の意思を貫くとしても、誰かに依存して生きて生きたいと思ったとしても、自分らしさは誰しもが必ず持っている物です。

 
人権が守られている状態や一人の人間として認められている状態を少し堅苦しく書きますと「一人ひとりが何者にも替える事ができない最高の価値を持っている状態」という意味です。

 
この事を他の言い方をすると、個人が尊重されている状態とも言えます。

 

 

 

 

一人の人間として認められていない事例 人権が守られていない

一人の人間として認められていない事例 人権が守られていない
個人が尊重されている事を説明する上で、逆に個人が尊重されていない状態を事例を上げて見てみましょう。

 

「A子さんが会社の都合によって連日連夜、仕事に追われて家に帰る事はおろかお風呂やお化粧をする時間すら取ることができない。家に帰る事もままならず、強制的に労働させられている。ましてや契約時間以上の時間をサービス残業をし心も体も苦しみながら今日もデスクワークを行っている」

 
現代の日本でもありがちな情景です。いわゆるブラック企業での労働ですね。
今では法制度が整備され、ブラック企業が淘汰される時代になってきてはいますが、労働者に対し、いまだにこのような労働を強いる企業はたくさんあります。

 
会社都合により、本人の意思に反して、強制的な労働をさせている。
明らかに人としての生活を逸脱して、労働によって会社に拘束をしている。

 
個人が尊重されておらず、一人の人間として認められているとは言い難いです。
人間らしい生活を送るという権利も奪われている事から人権が冒されている状態に相当していると言えます。

 
本人が望んでそうしたいと希望していたとしても同じような状況であれば人権が守られているとは言えないのです。
「会社」という大きな存在が個人の権利(家に帰る、お風呂にはいる、お化粧をする、残業分の報酬を受け取る)を奪い取っている事に他ならないからです。

 
もしこのように一人の人間として認められていない、人権が守られていない状態であれば「速やかな人権の回復」と「環境の改善」が必要なのです。

 

 

 

 

一人の人間として認められている事例 人権が守られている

一人の人間として認められている事例 人権が守られている
先ほどの例を参考に一人の人間として認められ、人権が守られている状態というのはどういう状態を指すのでしょうか?

 
「A子さんは会社との契約を遵守した労働を行っている。定時には家に帰ることが出来、プライベートの時間も充実させられている。毎日家で休むこともでき、家族に危険があった際には上長に相談の上、家に帰る事も許されている。心も体も健康的である。」

 
先ほどの例とは逆になりましたね。
文章を読んでみてもわかるとおり、会社と労働者が対等な関係になり、一人の人間として行えて当然の事を行うことが出来ている状態と言えます。

 

  • 自分の意見や、やむおえない事情を理解してもらえる。
  • 人として出来て当然の生活が出来る。
  • 契約を遵守した労働によって権利が守られている

 
これらが満たされていれば、この事例での一人の人間として認められていて、人権は守られているられていると考えて良いと思います。
個人がとても尊重されていて、働きやすい労働環境とも言えます。

 
ちなみに全体の都合によって個人の権利が抑圧され、不当な人権の侵害が行われている事を憲法では否定しています。
例えば、家族が危篤で命の危険が迫っている時に「仕事を優先させてよ!」なんて事は言えないと法律で決められているのです。

 

 

 

 

 

高齢者に対する人権 いつまでも一人の人間であり続ける

高齢者に対する人権 いつまでも一人の人間であり続ける
日本は超高齢社会に突入し、今後も高齢者となっていく人は増え続けます。
超高齢社会に突入した日本で悪徳商法や、高齢者を狙った犯罪が増加傾向にあります。

 
高齢者の人はさまざまな疾病や障害をかかえる事が多く、認知機能の低下によって正しい物事の判断を下せない事もあります。
例え、疾病にかかったとしても、障害を得たとしても、認知機能が低下したとしても、いつまでも一人の人間として認められるのです。

 
高齢者に対する個人の尊重や尊厳についての規定を見てみましょう

 

 

 

高齢者を守る法律 高齢者虐待防止法

高齢者を守る法律 高齢者虐待防止法
高齢者の人権や、一人の人間として認められる事を守る法律の一つに「高齢者虐待防止法」という法律があります。
高齢者虐待防止法は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援などに関する法律」です。

 
最近では認知機能が低下したり、生活能力が下がってしまった高齢者に対し、暴力や拘束、放置などの虐待が行われるケースが多いです。
介護疲れなどからこれらの虐待に発展する事もありますが、意図して弱い者いじめのような事をしようとする人も居ます。

 
高齢者虐待防止法の法律では、昨今問題となっている高齢者の虐待(放置、拘束、暴力など)を規制しています。

 
介護をする人は心身共に疲弊して介護疲れから虐待に発展してしまう可能性についても思慮されていて、高齢者介護をする人も高齢者虐待防止法によってケアを行っていこうとする旨が規定されています。

 

 

 

 

 

 

人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろう まとめ

人権が守られる世の中なのか?日本の人権はどうだろう まとめ
私たちの人権や一人の人間として守られている事は「日本国憲法」の条項によって守られていました。
しかし、昨今の日本では以前ほどではないにしろ、社会生活の中で人権が守られず、一人の人間として認められていないのと同等の生活を強いられる事もあります。

 
もし、自分の人権が守られていない、一人の人間として扱われている気がしない等、疑問に思った場合は、自分の人権が守られているかどうかを見てみるのが良いでしょう。

 
最近の日本では超高齢社会に突入したこともあり、特に高齢者に対する人権に敏感です。
病気や障害、認知機能の低下があったとしても、どんなに年を取ったとしても一人の人間なのです。

 
特に高齢者は「高齢者虐待防止法」によって、虐待行為を防止する事が定義されています。
健康に過ごしている高齢の方、介護を必要とする高齢の方、介護をする人の人権が高齢者虐待防止法によって守られているのです。

 
このように日本国憲法や高齢者虐待防止法が制定されていたとしても、人口比率のバランス崩壊によって起こっている介護問題、労働人口の減少によって人権が危ぶまれる事がしばしばあります。

 
介護問題や労働人口の減少に対し日本全体がどうアプローチするか、一人ひとりが考え行動する事で、めぐりめぐって自分の人権を守っていく事に繋がっていくでしょう

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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