介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

障害者の人権 この世の何が一番障害なのか?

      2015/11/07


介護を必要とする人には何も高齢者ばかりが介護を必要としているわけではありません。

 
生まれながらにして障害を持って生まれた人、交通事故などの不慮の事故によって障害を抱える事となった人、病気から全身が動かない全身麻痺になってしまった人など、障害者であっても生活を送る上では介護を必要とする人はいるのです。

 
障害者が生活を送る上では、動かない体や制御できない行動だけではありません。
障害者に対する世間的な風あたりであったり、差別や偏見も、生活を送る上では障害となります。

 
障害を抱えていたとしても人権という、誰であっても持っていて当たり前の権利はあるのです。
しかし、障害を持っているからと障害を持った人の権利を虐げられる現実があります。

 
障害を持つ人にとって、この世の何が一番障害なのでしょうか?また障害者の人権を考える上で、障害者の人権を軽視すると障害を持たない人にどのような影響があるのでしょうか?

 
障害者の人権と、この世の何が一番障害なのか?という事についてみていきましょう。

 

 
障害者の人権 この世の何が一番障害なのか?
 

 

障害者とは

障害者とは
障害者の人権を考える上では、まず障害者とはどのような人の事を指すのかという事を原点に立ち返ってみてみましょう。

 
障害者とは、何らかの原因によって長期にわたり日常生活または社会生活に相当な制限を受けざるを得ない人のことです。
児童福祉法の規定の関係上、18歳未満の場合は障害児という場合があります。

 
障害者は生まれながらにして、手足が無い人や、交通事故によって半身不随になった人、高齢になって脳梗塞を期に全身マヒになった人等さまざまです。
また、精神的な障害を持つ人や、知的障害を持つ人など、障害の内容や原因も千差万別です。

 
どの障害を持ったとしても現代の医学や技術では健常者と呼ばれる人と同じ状況になる事は難しく、介護者が必要なケースが多いです。

 

 

 

 

障害者の人権 誰でも一人の人間であるという事

障害者の人権 誰でも一人の人間であるという事
身体的な障害、知的な障害、精神的な障害、どれをとったとしても乗り越える壁は厚く、介護者、障害者本人の生活的な負担は大きなものとなりやすいです。

 
しかし、どんな人であれ、人として生まれてきた以上、分け隔てなく人権は必ず存在します。

 
人権というのは人として生まれてきた誰にでも適用されるべき物であり、障害の有無によって差別されるべきものではありません。
障害者にも知的財産権や著作権、選択の権利、生存の権利等々、私たちが持っていて当たり前の権利があり、当然ながらその権利は自他ともに守るべきで守られるべきものです。

 
誰でも一人の人間であるという事を周囲の人間、世間は更に深く理解すべきであり、障害者に対してより過ごしやすく暮らしやすい社会を作り上げていかない限り、障害を持ったからという理由での悲劇を避ける事が出来ないでしょう。

 

 

 

 

障害者の人権問題 差別や偏見

障害者の人権問題 差別や偏見
障害者は身体的な障害、知的な障害、精神的な障害等、様々な障害があり、それぞれの障害には更に細かい障害があります。

 
身体的な特徴から障害者である事がわかる人や、コミュニケーションをとろうとする事で初めて障害者であると分かる人、一見すると障害者には見えないけれど精神的な問題で障害者である人など、周りからの見え方もさまざまです。

 
例え、障害を抱えていて、他の人より何かの行動に介護が支援が必要であったとしても、介護を必要としているからという理由で社会生活の能力や役割を失っているわけではありません。

 
しかし、障害者は介護を必要とする事や、行動が読めない事など、置かれている状況や、無理なこじつけによって社会から遠ざけられてしまう事があります。

 
障害者本人のやる気や、努力、支援体制によっては十分に社会参加が可能ですが、差別や偏見等の人々の認識や態度によって、障害者の経済活動を実質的に阻害され、排除されてしまう現実があります。

 
例えば、自立した行動をとる事が出来る障害者の人であっても、企業に支援体制を作る事ができないからという理由で障害者を雇用しなかったり、雇用したとしても本人の事情や意向を考慮しないなんて事が往々にしてあります。

 
企業は、障害者を受け入れる事で、国から税金が一部免除されるなどの経済的な支援を受けています。
しかし、この国からの補助だけを目当てに雇用だけして、障害者が働きやすい環境を作ろうとしないケースもあります。

 
まさにこのような行為は差別や偏見という域を超えて脱税と言っても言い過ぎではない状況です。

 
これらの状況は人や企業の差別や偏見が背景にあるとともに、国政として障害者雇用に踏み切ったものの、狙いが根本的にずれた事によって生み出された結果です。

 
超高齢化社会到来によって労働者が足りないと言っている昨今、差別や偏見により働くフィールドに立てるはずの障害者の経済活動を奪うような人権の侵害は、障害者のみならず社会全体の不利益と言えるでしょう。

 

 

 

 

障害者の人権問題 賃金が低すぎる

障害者の人権問題 賃金が低すぎる
障害者の人でも必死に仕事に打ち込む人はたくさんいます。
仕事の内容にもよりますが、障害を持たない人よりも懸命に働き、生産性も著しく高い人などゴロゴロいます。

 
しかし、現実的に障害者に対する賃金が全体的に低すぎる事が障害者の人権問題として昨今の日本では存在します。

 
障害者の賃金が低すぎる事に問題を感じ、取り組む優良企業も中にはあり、成功事例もありますが、現代の日本では障害者に支払われる賃金が低すぎる事が世間一般的な常識のような状態になっています。

 
同等の仕事をすることが出来る知識、能力を持ち合わせていたとしても正当な評価が下されていない事も、この人権問題が解消されない原因の一つでしょう。

 
また、障害者という「自分とは違う人」という差別・偏見の目線が存在するとともに、どのような人か良くも悪くも計り知れないという事から賃金が低く設定されてしまうケースもあるように感じます。

 
どちらにしても障害者の人権問題として賃金が低すぎるのは、障害者の人の生活そのものを脅かす原因の一つになるため、早急な改善が必要と言えるでしょう。

 

 

 

 

障害者の人権問題 悪質商法のターゲットになりやすい

障害者の人権問題 悪質商法のターゲットになりやすい
障害者は高齢者同様に悪質商法のターゲットになりやすい特徴があります。

 
悪質商法のターゲットと言っても、高齢者に対する悪質商法とは違い、虐待、脅迫による悪質商法が横行しています。
障害者の人の中には低い賃金のなかで労働し、何とか生活を送っている人が居るのです。

 
一生懸命働いて、生活する為のお金を、まるで血を吸うヒルのようにすする悪質商法者が居るので、日常生活から特に注意が必要です。
また、障害者の中には十分なコミュニケーション手段がない人も居る為、コミュニケーションをとる事が困難な人がターゲットに上がる可能性があります。

 
また、周辺の人々に対しても悪質商法や詐欺により搾取や不当な売買契約を結ばされることや、詐欺などの犯罪が社会的な問題なっているので、不審な訪問販売には基本的に対応しない方が賢明でしょう。

 
障害者を狙った悪質商法や詐欺などの問題に対しては、法律や保護制度や犯罪防止の観点からの対策が非情に重要です。

 

 

 

 

障害者の人権問題 サービス・制度の情報が不十分

障害者の人権問題 サービス・制度の情報が不十分
障害者の人が本来利用する事が出来るサービス・制度の十分な情報が提供されていなかったり、相談や支援の体制が十分ではなかった事で利用する事が出来ずに結果として生活上の支障を期待している事があります。

 
通常であれば、サービス・制度を利用する為の手段や、その手段を知る方法というのが提供されているのが普通です。

 
これらから十分行われていない事は「本来できるはずの生活を奪われている」状態ともいえるので権利が侵害されている状態と言えます。

 
もちろん、これは障害者でなくとも、私たち一般的な市民であっても同じことが言えます。
本来受ける事が出来たはずのサービスを、情報が十分に提供されていなかった事で受ける事が出来なかった場合は誰だっていやな気分になるはずです。

 

 
もし知っていたら200万円の生活費が浮くような制度があって、その制度について十分な説明や情報が提供されていなければ人によっては怒りを覚えるかもしれませんね。

 

 
このように、本来受ける事が出来たはずのサービスについて、周知や手段を整備されていない状況であった場合、障害者に対して人権問題が多かれ少なかれ存在するという事です。

 

 

 

 

障害者の人権問題からわかる世間に与えるダメージ

障害者の人権問題からわかる世間に与えるダメージ
障害者の人権問題には、差別や偏見、賃金が低すぎる事、悪質商法のターゲットになりやすいことや、制度・サービスの情報や説明が不十分などの人権問題がありました。

 
ここで取り上げた人権問題はほんの一部の情報であり、さらに多くの人権問題が世間的には潜んでいます。

 
これほどまでに多くの課題を抱えている障害者の人権問題ですが、この人権問題からわかる世間に与えるダメージとはなんなのでしょうか?
障害者の社会参加、賃金の低さなどからは社会的な生産活動、消費活動が少なからず低下していると言えます。

 
また、悪質商法のターゲットになるという事は、税金から出ている障害者年金や障害者給付が裏社会に回る事を意味しており、結果的に表社会の全体的な財政状況というのは悪化する事になるでしょう。

 
さらに、障害者を雇用する事で賄う事が出来る労働力であったとしても、外国人を雇用する事で労働力を賄おうとする動きも想定されるため、日本の貨幣は海外に流れる事になり、更に日本は貧しい国に近づきます。

 
また、日本は超高齢社会に突入し、高齢者が増えます。
高齢者はさまざまな疾病や不慮の事故などにより中途障害を抱える事が多く、結果として障害者が今後増加する可能性が高くなります。

 
障害者が増加していく日本でこれらの価値観が強く根付いているという事は、日本全体の経済活動を低迷させる事に繋がり、今後、万が一障害者になってしまった場合は、今までに出てきた人権問題を思い返す事となり、精神的なダメージも大きくなるでしょう。

 
誰も「障害を抱えて生きていきたくはない」というのが裸の本音であり、身近な周囲の人間も「そうであってほしくなかった」と思ってしまうのが、現代の日本の障害者に対する価値観である事は、とても悲しいことです。

 
社会全体の価値観が障害者を受け入れ、物理的にも精神的にもバリアフリーな世の中であれば障害者が持つ「障害を抱えて生きていきたくはない」という思いや、周囲の人間の「そうであってほしくなかった」という悲しい思いは存在しなかったと言えるでしょう。

 

 

 

 

障害者の人権問題からわかる、この世の一番の障害

障害者の人権問題からわかる、この世の一番の障害
障害者の人権問題から、この世の一番の障害について垣間見る事が出来ます。

 
障害者の人権問題には、差別や偏見、賃金が低すぎる事、悪質商法のターゲットになりやすいことや、制度・サービスの情報や説明が不十分などの人権問題がありました。

 
紹介したのはほんの一部の障害者の人権問題ではありますが、これを見る限りとても世知辛い世の中であるという事を感じる事が出来るでしょう。

 
そして、これらの人権問題が存在する事を私たちはITやメディア等の技術進歩を通して、膨大に迅速に手に入れる事が出来るようになり、日本の深い闇についても触れる機会が多くなりました。

 
現代の医学や技術の進歩によって、お母さんのお腹の中に居る段階でCTスキャンや遺伝子の配列等から障害者が生まれてくるか否かが判断できる時代にもなってきて、今後障害を持って生まれてくる子供が減少するという見解も出ています。

 
しかし、ちょっと待っていただきたいと思います。

 
そもそも、なぜ障害を持って生まれてくる子供を判断する必要があったのでしょうか?その人の行く末を案じる両親が居るからに他なりません。
ではなぜ両親は障害を持って生まれてくる子供の行く末を悲観的に思う必要があったのでしょうか?それは障害者に対して世知辛い世間があったからにほかなりません。

 
子供はお母さんのおなかの中に宿った時点ですでに人ではないのでしょうか?
障害を抱えて生まれてくる事に不安のある世の中である事、そのものが一番の障害なのではないのでしょうか?

 
障害を持ってきたから、お腹の中で殺される命が今後増えるという事であり歓迎されるべきかどうかは判断しかねる内容だと思います。

 
価値観・差別・偏見・賃金・世間の風当たり、技術の進歩が生まれてきて、懸命に生きる事が出来る命を奪う事に繋がるのであれば、それらが命を奪う程の、この世の一番の障害なのではないかと私は思います。

 

 

 

 

障害者の人権 この世の何が一番障害なのか? まとめ

障害者の人権 この世の何が一番障害なのか? まとめ
障害者とは、何らかの原因によって長期にわたり日常生活または社会生活に相当な制限を受けざるを得ない人のことです。
児童福祉法の規定の関係上、18歳未満の場合は障害児という場合があります。

 
身体的な障害、知的な障害、精神的な障害、どれをとったとしても乗り越える壁は厚く、介護者、障害者本人の生活的な負担は大きなものとなりやすいです。
しかし、どんな人であれ、人として生まれてきた以上、分け隔てなく人権は必ず存在します。

 
人権というのは人として生まれてきた誰にでも適用されるべき物であり、障害の有無によって差別されるべきものではありません。
しかし、障害者は介護を必要とする事や、行動が読めない事など、置かれている状況や、無理なこじつけによって社会から遠ざけられてしまう事があります。

 
障害者本人のやる気や、努力、支援体制によっては十分に社会参加が可能ですが、差別や偏見等の人々の認識や態度によって、障害者の経済活動を実質的に阻害され、排除されてしまう現実があります。

 
障害者の人でも必死に仕事に打ち込む人はたくさんいます。
仕事の内容にもよりますが、障害を持たない人よりも懸命に働き、生産性も著しく高い人などゴロゴロいます。

 
しかし、現実的に障害者に対する賃金が全体的に低すぎる事が障害者の人権問題として昨今の日本では存在します。
障害者の人権問題として賃金が低すぎるのは、障害者の人の生活そのものを脅かす原因の一つになるため、早急な改善が必要と言えるでしょう。

 
障害者は高齢者同様に悪質商法のターゲットになりやすい特徴があります。
悪質商法のターゲットと言っても、高齢者に対する悪質商法とは違い、虐待、脅迫による悪質商法が横行しています。

 
障害者を狙った悪質商法や詐欺などの問題に対しては、法律や保護制度や犯罪防止の観点からの対策が非情に重要です。

 
障害者の人が本来利用する事が出来るサービス・制度の十分な情報が提供されていなかったり、相談や支援の体制が十分ではなかった事で利用する事が出来ずに結果として生活上の支障を来たしている事があります。

 
これらから十分行われていない事は「本来できるはずの生活を奪割れている」状態ともいえるので権利が侵害されている状態と言えます。

 
障害者の人権問題により、経済的な面、労働的な面、消費活動的な面などで世間全体に影響があるとともに万が一障害者になってしまった場合は、今までに出てきた人権問題を思い返す事となり、精神的なダメージも大きくなるでしょう。

 
これらの障害者の人権問題から垣間見る事が出来るのは、命を奪われるほどの障害が世間の中には隠れているという事です。
価値観・差別・偏見・世間の風当たりによって、今後生まれてくる事が出来たはずの命が失われるというのは、歓迎する事が出来ない問題です。

 
いまや、障害者の人権問題は、人権という枠を超えて、命にすらもその魔の手を出そうをしています。
この世で何が一番大事なのか?という事を世間全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。
 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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Comment

  1. 吉村 直子 より:

    私は今犯罪被害者です。それを認めて貰えず、障害者の道を歩む9年間です。
    しかも小さい時に受けた、加害者に出会う9年間でした。
    しかもその加害者が、精神保健福祉士で、凄い私の可能性などは、認めて貰えず、
    裁判に踏み込む事にしました。

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