介護の精神と社会

介護という人々を支える仕事について精神面や法制度などを交え 解説しています。

マズローの欲求5段階説 人の欲について知りたい

      2015/11/07


人間関係のなかで生きていく中で、自分の欲や欲しいもの、もしくは相手の欲望や相手の欲しいものに疑問を持った事がないでしょうか?

 
自分は欲しいものではないけれど、相手は欲しがっている。
相手はいらないと言っているけれど、自分がそれが手が出る程欲しい。

 
価値観の違いという言葉で終わらせられてしまう事がありますが、相手と自分の欲望や欲求に対して理解を深めたいと思っている人もいるでしょう。
そんな人はマズローの欲求5段階説という物を知ると、自分と相手の欲望や欲求について知る事が出来るかもしれません。

 
介護サービスを提供する職員のみならず、日常的な人間関係、仕事で行う営業などなど幅広い分野の根本的な思想としても活用する事が出来るのではないでしょうか。

 
マズローの欲求階層説をもとに、相手と自分の欲求についてみていきましょう。

 

 
マズローの欲求5段階説 人の欲について知りたい
 

 

マズローの欲求5段階説とは?

アメリカの心理学者「マズロー(Maslow ,A.H)」が掲げた「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。

 
一番下の階層から

 
1階層目:生理的欲求
2階層目:安全欲求
3階層目:所属・愛情の欲求
4階層目:承認欲求
5階層目:自己実現の欲求

 
となっています。

 
この階層に欲求を当てはめてみると、自分や相手の様々な思いや求めるものが見えてきます。

 
人間は1階層目から欲求が始まり、5階層目に近づくにつれて高次元な欲求を持つようになります。
では、それぞれの階層について見ていきます。

 

 

 

マズローの欲求5段階説 1段目:生理的欲求

マズローの欲求5段階説 1段目:生理的欲求
マズローの5段階欲求説の1段目の階層の欲求は「生命維持」の為に必要な欲求です。
具体的な欲求として「食事・睡眠・排せつ」等の本能的で生きる上で根源的な欲求が挙げられます。
人が声明を維持していく上で必要な欲求という点では、他のどの欲求よりも野性的な欲求と言えます。

 
マズローの欲求5段階説の1段目である生理的欲求は、他のどの段階の欲求よりもより強い欲求です。
極端に生活のあらゆるものを失った人は、生理的欲求が他のどの欲求よりももっとも重要な行動の根源となり、常に生存のために行動することになります。

 
社会的にも身体的にも健康である人は生理的欲求の段階の欲求は既にクリアしている状態なので、マズローの欲求5段階説の2段目の階層である「安全欲求」を満たしたくなるようになります。

 
生理的欲求は先ほども申し上げた通り、人が生命維持のために必要な欲求であるため、慢性的に生理的欲求が満たされな語った場合は、いちじるしく健康を害してしまったり、最悪「死」につながります。

 
例えば、介護を受ける人は介護者の都合により、生理的欲求が慢性的に満たされない事があります。
また、ネグレクト等の虐待を受けている人は、食事を与えられず栄養失調の状態になる事もあるでしょう。
貧乏や借金によって食べる物が手に入らないケースも生理的欲求が満たされない原因となる事があるでしょう。
仕事の関係上、トイレに行く事もままならない状態が続けば、膀胱炎になったり、体に毒素が回る事もあるでしょう。

 
現代において、生理的欲求が満たされない状態というのは由々しき社会生活上で由々しき事態ととらえる事が出来ますよね。

 
どの階層の欲求よりも、マズローの欲求5段階説の生理的欲求が果たされない状態というのは命の危険が迫っている状態であるという事は知っておくべきではないでしょうか。

 

 

 

 

マズローの欲求5段階説 2段目:安全欲求

マズローの欲求5段階説 2段目:安全欲求
マズローの欲求5段階説 2段目の階層の欲求は「安全・安定」の為に必要な欲求です。
安全欲求の具体的な例としては次のような欲求があります。

  • 経済的安定
  • 良い健康状態の維持
  • 良い暮らしの水準
  • 事故防止
  • 保障の強固さ
  • 予測可能で秩序によって規則がある状態

 
マズローの欲求5段階説でいう安全欲求に対して非常に忠実なのが「幼児」です。

 
基本的に社会を作っていく上で、特に裕福で幸運な人はこの欲求に関して既に手に入れている事が多いです。
それに反して「幼児」は大きな音などに敏感に反応して感情をあらわにします。

 
これは「危険な状況」「脅威が近づいている」事に対して「親」に対して「安全」を要求しているのです。
マズローの欲求5段階説でいう、安全欲求も、生理的欲求と同様に、人が本来人として生きて行く為に必要な野性的な欲求と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

マズローの欲求5段階説 3段目:所属・愛情の欲求

マズローの欲求5段階説 3段目:所属・愛情の欲求
マズローの欲求5段階説の1階層目の「生理的欲求」と2階層目の「安全欲求」が満たされると、次に3階層目である「所属・愛情の欲求」が発現します。

 
自分が社会に必要とされている、役割があるという感覚、相手に受け入れられている、どこかに所属しているという欲求です。

 
「生理的欲求」と「安全欲求」を満たすことに精いっぱいだった太古の時代から、現代では愛を求めて孤独・追放・拒否・無縁状態であることに対して痛みを感じるようになりました。

 
現代ではどこかに所属していない事には社会生活を送る事が出来ず生活の糧を得る事が出来ない為、所属・愛情の欲求も人が生きていく上では必要な欲求と言えるでしょう。

 
マズローの欲求5段階説の所属・愛情の欲求が満たされない、もしくは満たす手段がわからない状態に慢性的に陥る事によって、不適応や重度の病気、孤独感や社会的不安定、鬱状態になるとも言われています。

 

 

 

 

マズローの欲求5段階説 4段目:承認欲求

マズローの欲求5段階説 4段目:承認欲求
マズローの欲求5段階説の4階層目である承認欲求とは自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重される事を求める欲求です。

 
マズローの欲求5段階説の承認欲求に置いては、欲求の対象である尊重のレベルは「高」「低」に分けられます。

 
低いレベルの尊重欲求は「相手からの尊敬」「名声」「利権」「注目」を得る事で満たされる欲求です。要するに「他人によって満たされる欲求です」

 
高いレベルの尊重欲求は「自分自信を尊重出来ていると感じる事」「技術や能力の習得」「自分に対する信頼感」「自立する事」を得る事で満たされます。つまり「自分自身で満たす欲求」です。

 
承認欲求の尊重に対する欲望のレベルは、「他人の評価」よりも「自分の評価」が一番最重要であると心では選択されます。
自分の持っている承認欲求が妨害されると劣等感や無力感などの感情が起きます。

 
つまりは、相手に自分の価値観を否定され、他人の評価を承認欲求が受け入れたときに、自分の価値観が負け落ち込む状態の事を指しています。

 
今日の「介護」が目指すところは「高いレベルの尊重欲求を満たすことが最低限のライン」と言えると言えます。
もちろん、それより「低いレベルの尊重欲求」や、1~3階層の欲求は守られていることが最低限です。

 

 

 

 

マズローの欲求5段階説 5段目:自己実現の欲求

マズローの欲求5段階説 5段目:自己実現の欲求
マズローの欲求5段階説の自己実現の欲求は、他の「生理的欲求」「安全欲求」「所属・愛情の欲求」「承認欲求」と比べると異色の、より高次元の欲求と言えます。

 
「生理的欲求」「安全欲求」「所属・愛情の欲求」「承認欲求」の欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適している事をしない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち付かなくなってきます。

 
自己実現の欲求は「自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求」です。
そして、すべての行動の動機が、自己実現の欲求を満たすために行われるようになります。

 
「自分がなりたいものになる」という事や「自分が自分であるために」という欲求もここに含まれます。

 
「介護を受ける人」にも「介護をする人」にもこの欲求は備わっています。
そして、高齢者であれば「昔のように元気に動ける事」を「自己実現の欲求」としている人もいます。

 

 

 

 

マズローの欲求5段階説 人の欲について知りたい まとめ

マズローの欲求5段階説 人の欲について知りたい まとめ
このマズローの欲求5段階説を覚えて「いざ」という時に使えるようになっておくと「相手」を知る手助けになる事が結構あります。

 
自分が「不満だ」と感じた事については「今自分が満たされていない事ってどんな部分なんだろう」と知る事で、自分に対するケアも可能となってきます。
ちなみにこれを「セルフケア」といいます。

 
更に突き詰めていくと
・自分は何故、介護をするのか?なぜここにいるのか?
・相手は何故、介護を必要とするのか?なぜ私に頼むのか?

 
そんな問いに使ってみると「人によっては苛立ち」を感じたり「悲しい結果」を知る事にもなってしまうかもしれません。
そんな時はとことん「自分」を掘り下げて見つめてみてください。

 
必ず「あなただけの種」が見つかるはずです。

 

 

 

 
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの探す答えがどうか見つかりますように。

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