介護の精神と社会

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【高齢者】認知症による物忘れと加齢による物忘れの違い

      2017/04/20


認知症は脳が委縮し働きに障害が出る事で「物忘れ」の症状が出る病気です。
しかし、人間は高齢になるにつれ、脳の機能も衰え同様に「物忘れ」の症状が出てきます。

高齢のご家族の方がいて、「物忘れ」についての理解が足りないと「もしかして、認知症じゃ・・・」と心配になる事も少なくないのが実情です。
ですが、認知症が原因の物忘れと、年齢が原因による物忘れでは特徴が異なってきます。

ここでは認知症の物忘れと年齢による物忘れの違いを理解していきましょう。

 

 
【高齢者】認知症による物忘れと加齢による物忘れの違い

 

 

認知症によっても高齢によっても「物忘れ」の症状が出てくる


認知症は脳の働きに障害が出てくる事によって、記憶を脳の中にためておくことが出来ない事で、「物忘れ」の症状が出てきます。
また、高齢によっても脳の機能が低下する事で「物忘れ」の症状が出てきます。

認知症であっても、年齢によるものであっても「物忘れ」の症状はでますが、特徴があります。

 

 

 

認知症による物忘れ(記憶障害)


認知症による物忘れは「記憶障害」という症状の一つで、認知症が原因とした「病気」の症状です。
認知症の物忘れの特徴は、出来事そのものを忘れたり、思い出すきっかけがあっても思い出す事が出来なかったり、物忘れを自覚できなかったりといった特徴を持っています。

認知症による物忘れは日常生活を送る事が難しくなることが多く、場合によっては命の危険を伴う事があります。
自覚症状が乏しい為、周囲の人の支援なしには安全な生活を送る事は難しいケースも多いです。

認知症による物忘れの主な特徴を更に詳しく見てみると次のような特徴があります。

  • 病気が原因の「物忘れ」の症状である
  • 体験した事、事態を忘れる(食事した事自体を忘れる)
  • ヒントがあっても思い出す事が出来ない
  • 子供や孫がいる事自体を忘れる
  • 物忘れの自覚が乏しい
  • 場所や時間を正しく認識できにくくなる
  • 物忘れが進行し、年単位で進行する
  • 社会生活への適応に支障がある
  • 日常生活に支障が出る程の物忘れを伴う

 

 

 

加齢による物忘れ


加齢による物忘れは、身体の老化が原因で脳の働きが低下する事で、自然な流れでの物忘れです。
病気ではなく、物忘があったという事を自覚する事が出来る事が大きな特徴です。

きっかけを与えてあげれば思い出す事もできますし、多くの場合日常生活への支障はありません。
危険な場所、危険な行動への認識もできますので物忘れが原因での事故も比較的少ない傾向にあります。

年齢が原因で起こる物忘れの特徴は主に次のようなものです。

  • 病気ではなく、身体の老化にともなう「物忘れ」の症状である
  • 人の名前や物事の名前を忘れる
  • 物事の名前だけでなく、その物事自体を忘れる
  • 子供や孫の年齢を忘れる
  • 体験したことの一部を忘れる(食事した事は覚えているが、何を食べたか忘れる
  • ヒントがあれば思い出せる
  • 自覚がある
  • 場所や時間の認識は、ほぼ正しい
  • 物忘れの進行が無い
  • 社会生活への適応に特に支障がない
  • 日常生活への支障がない

 

 

 

 

認知症と高齢による「物忘れ」の違い


認知症と高齢による「物忘れ」の違いとしては、認知症が病気の症状である事に対し、高齢は体の老化が原因の症状と言えることです。
認知症の場合は、体験そのものがすっぽりと記憶から抜け食事の後にも「ご飯まだ?」と言ってくるのに対し、物忘れの場合は「さっき食べたご飯なんだっけ?」といった具合に体験したことを覚えているが、詳細な内容を思い出せないといった違いがあります。

 

認知症の人は、ヒントを与えても記憶そのものが完全に抜け落ちている状態なので、周りからヒントを与えられても全く思い出せません。
高齢が原因の場合は、ヒントを与え誘導してあげれば高い確率で思い出す事が出来ます。

 

物忘れへの自覚症状そのものは認知症の場合は、自分に物忘れがあった事を自覚する事が難しく、常に新しい体験をしているかのような状態になったり体験そのものが無かった事になるのに対し、高齢が原因の場合は、「最近忘れやすくなった」などの自覚症状があります。

 

認知症は進行性の物ですが、加齢による物忘れは進行が無い事が特徴で、一定のレベルが保たれます。

 

認知症の方はガスや火の後始末や、服を着る事が出来ないと言った日常生活が困難になる場合が多くありますが、高齢による物忘れは日常生活への支障が認知症と比較し軽度な物と言えます。
とはいえ高齢になると「注意力」の低下があるので、日常生活で命の危険がある場合は、一緒に立ち会うなどの工夫が必要になってくるでしょう。

 

 

 

 

まとめ:認知症による物忘れと加齢による物忘れの違い



認知症は脳の働きに障害が出てくる事によって、記憶を脳の中にためておくことが出来ない事で、「物忘れ」の症状が出てきます。
また、高齢によっても脳の機能が低下する事で「物忘れ」の症状が出てきます。


認知症による物忘れは「記憶障害」という症状の一つで、認知症が原因とした「病気」の症状です。
認知症の物忘れの特徴は、出来事そのものを忘れたり、思い出すきっかけがあっても思い出す事が出来なかったり、物忘れを自覚できなかったりといった特徴を持っています。

認知症による物忘れは日常生活を送る事が難しくなることが多く、場合によっては命の危険を伴う事があります。
自覚症状が乏しい為、周囲の人の支援なしには安全な生活を送る事は難しいケースも多いです。


加齢による物忘れは、身体の老化が原因で脳の働きが低下する事で、自然な流れでの物忘れです。
病気ではなく、物忘があったという事を自覚する事が出来る事が大きな特徴です。

きっかけを与えてあげれば思い出す事もできますし、多くの場合日常生活への支障はありません。
危険な場所、危険な行動への認識もできますので物忘れが原因での事故も比較的少ない傾向にあります。


認知症と高齢による「物忘れ」の違いとしては、認知症が病気の症状である事に対し、高齢は体の老化が原因の症状と言えることです。
認知症の場合は、体験そのものがすっぽりと記憶から抜け食事の後にも「ご飯まだ?」と言ってくるのに対し、物忘れの場合は「さっき食べたご飯なんだっけ?」といった具合に体験したことを覚えているが、詳細な内容を思い出せないといった違いがあります。

 

認知症の人は、ヒントを与えても記憶そのものが完全に抜け落ちている状態なので、周りからヒントを与えられても全く思い出せません。
高齢が原因の場合は、ヒントを与え誘導してあげれば高い確率で思い出す事が出来ます。

 

物忘れへの自覚症状そのものは認知症の場合は、自分に物忘れがあった事を自覚する事が難しく、常に新しい体験をしているかのような状態になったり体験そのものが無かった事になるのに対し、高齢が原因の場合は、「最近忘れやすくなった」などの自覚症状があります。

 

認知症は進行性の物ですが、加齢による物忘れは進行が無い事が特徴で、一定のレベルが保たれます。

 

認知症の方はガスや火の後始末や、服を着る事が出来ないと言った日常生活が困難になる場合が多くありますが、高齢による物忘れは日常生活への支障が認知症と比較し軽度な物と言えます。
とはいえ高齢になると「注意力」の低下があるので、日常生活で命の危険がある場合は、一緒に立ち会うなどの工夫が必要になってくるでしょう。

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